海外駐在生活では、孤独を感じる瞬間が少なくない。
先日の記事ではその対処法について書いたが、実際には、時おり現地で出会った人たちと出かける機会もあった。
頻繁ではないが、そんな何気ない時間が、台湾での生活をぐっと豊かにしてくれたと思う。
今回は、台湾で現地の友人や偶然出会った人たちと出かけた、印象的な思い出を3つ紹介したい。
1. 台北でのいちご狩り
いちごは寒冷地の果物というイメージがあったが、台北郊外の山の方でも栽培されており、いちご狩りが楽しめると聞いて驚いた。
友人が「最後に一緒に行こう」と誘ってくれ、バイクで山あいの農園まで連れて行ってくれた。
その農園では、採ったいちごをその場で食べることはできず、熟した実を選んで収穫し手持ち帰るシステムだった。
また、併設のカフェでいちご料理を味わうこともでき、ここで人生で初めて食べるいちごピザを堪能した。
台北市内から公共交通では行きにくい場所だったので、友人がいなければ体験できなかっただろう。
2. 馬祖で出会った台湾人と、鹿のいる無人島へ
馬祖諸島を一人旅していたとき、同じゲストハウスに泊まっていた台湾人の女性と知り合った。
彼女は馬祖本島で教師をしており、休暇を利用して他の島を訪れていたという。
夜に共用スペースで話しているうちに意気投合し、翌日の予定を聞かれたので、
「鹿のいる無人島に行ってみたいが、行き方がまだわからない」と答えたところ、
「じゃあ一緒に行こう!」と即答してくれた。
翌朝、彼女のバイクに乗せてもらい、港から小さな船で無人島へ渡った。
島には本当に野生の鹿がいて、驚くほど人懐っこかった(餌をもらえることがわかっているから、愛想よくしてくれたのかもしれない)。
観光客もほとんどいない場所で、海の音と鹿の足音だけが響く静かな時間を過ごした。もし彼女が声をかけてくれなければ、きっと行くことのなかった場所だと思う。
偶然の出会いが、忘れられない一日の思い出になった。
3. ツアーで出会った台湾人と、別のツアーで再会する
花蓮のバスツアーに参加したとき、たまたま隣の席になった台湾人の方と意気投合し、一緒に降車地点を散策した。
彼女との出会いはそれきりと思われたが、2か月後、なんと澎湖のバスツアーで再会したのである。
澎湖の観光バスツアーは4路線あるのだが、偶然にも同じ日に、同じ路線を選んでいた。
集合場所でぼんやりしていると、突然「嗨!我們是不是在哪裡見過?」(どこかで会ったよね?)と声をかけられ、顔を見て「えっ!」と互いに驚いた。
再会を祝うように、澎湖の青空の下でツアーを楽しみ、ツアー後には地元のお刺身店やスイーツ店に案内してもらった。
澎湖名物の仙草やお刺身を味わいながら、旅先の偶然の不思議さを語り合った。
おわりに
駐在中は、友人をつくる機会が限られていたが、だからこそたまたま出会った人との時間が、特別な思い出になる。
連絡を取り合うことがなくても、その瞬間の楽しさや温かさは、ずっと記憶に残っている。
台湾で出会った人たちのおかげで、「一人で過ごす海外生活」も、決してずっと孤独ではなかった。
むしろ、孤独な時間があったぶん、人との出会いを楽しみ、それが思い出となった。
これから駐在や留学を控えている方には、ぜひ現地での偶然の出会いを大切にしてほしいと思う。


