アジア周国雑記

台湾/東南アジア/東アジアの旅行記や読書録、メモなどを載せています。

【読書録】台湾海峡一九四九

「ほしい本リスト」にずっと入っていた台湾海峡一九四九」を先日ついに購入し、読了しました。

今回は、この本を読んで感じたことや印象に残ったことをまとめたいと思います。

 

▼今回読んだ本

龍應台『台湾海峡一九四九』、2012年、白水社

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本書の舞台は

この本のタイトルにもある「一九四九」というのは、国共内戦が終わり、中華人民共和国が成立した年を指します。

中国では、1927年から中国共産党中国国民党が対立をしていました。

1937年には日中戦争のため、一時停戦となったものの、1946年から(すなわち日本が敗戦した後)対立が再度激化しました。

停戦をはさむため、国共内戦は第1次(1927~1937年)と第2次(1946~1949年)にわかれますが、一般に「国共内戦」というと、第2次の方を指すそうです。

この内戦により、蒋介石率いる国民党軍は台湾へ撤退しました(=歴史の教科書では、中華民国政府の台湾移転、といわれます)。

 

本書の舞台は、この国共内戦下の台湾や中国です。

内戦で中国から台湾に逃げた人々や、彼らを受け入れた台湾の人々、台湾から戦場に向かった人々など、様々な立場の人が、内戦下で何を経験し、どのような決断をし、生き延びたのかを綴っています。

世界史の教科書などでは、国共内戦という事実や、その結果しか知ることができませんが、「台湾海峡一九四九」を読むと、内戦下で人々がどれだけ惨い経験をして悲しい思いをしたのか、肉体的にも精神的にもどれだけ苦痛だったのかを知ることができます。

 

この本に登場する方々

先ほど少し触れましたが、この本は対話や小説的な表現等を含みつつ、内戦下で何があったのかを描いています。

登場するのは内戦下を生きた「一般の人々」です。

 

歴史の教科書では個人のエピソードに焦点が当たることは(よっぽど有名な人でない限り)ほぼありません。

しかし、本書では一般の人々に焦点を当て、彼らが内戦によって受けた痛みを綴っています。

一般人に焦点を当てているからこそ、その人の出身や所属部隊にかかわらず、皆それぞれの立場で、それぞれの痛みを経験していていることがわかります。

また、彼らは軍服を脱げば自分と同じ「一般人」であり、時代が違えば自分の様に不自由なく暮らせたはずであるにもかかわらず、本書に記載されるようなむごい経験をしたのか、と思うと非常に胸が痛みました。

同時に、人々にそのような状況を敷いた「戦争」にやるせなさを感じました。

さらには、そもそも存在すら知られていない戦争もあり、「偉大な勝利」の裏ではらわれた凄惨な犠牲があったことにも、胸を衝かれました(具体的に言うと、長春包囲戦というそうです。ウィキ情報ですが)。

 

まとめ

戦争のやるせなさを、戦禍を被った一般の人々の声を通じて痛感させる本だと思います。

むしろ、自分と同じような立場の人の声だからこそ、より惨さを感じられるのかもしれません。

 

さらに、本書にもそのような描写がありますが、かつて彼らや彼らの戦友が倒れ、血で染まった土地の上に今我々が立って、無邪気に生活できていると思い知らされました。

そのような歴史を知らずに、或いは忘れてしまうことこそ、真に救いようのなく、やるせないことだとだと思います。

「一九四九」という時代に、どのような人が、どのように生きたのか、ぜひ本書を手に取って知っていただけたらと思いました。

 

bookmeter.com

 

今回の記事は以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

【読書録】台湾の歴史と文化 六つの時代が織りなす「美麗島」

先日とある書籍を買おうと思いネットを見ていたところ、サジェスチョンに台湾に関する本が出てきました。

ちょうど、台湾のこと勉強しなおさねばなあと思っていたところだったので、衝動買いしてしまいました。

 

今回の書籍:
大東和重『台湾の歴史と文化 六つの時代が織りなす「美麗島」』2020年、中公新書

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まず、この本の一番の面白さは、著者の方が書かれている通り、台北ではなく「地方」に焦点をあてた点にあると思いました。

例えば、原住民シラヤ族(注1)の話や、タオ族(注2)の話、さらにはタオ族と日本人研究者の交流など、台北に焦点を当てただけでは登場しえない内容に言及されていたのが印象的でした。

 

中でも衝撃的だったのは、タオ族の住む蘭嶼には核廃棄物の一時貯蔵施設が置いてあり、それはタオ族にとっては彼らの言葉で「アニト」と呼ばれる悪霊のようなものでありつつも、その施設があることで補償を得ることができ、それがタオ族の伝統文化継承に資している、という話でした。

これは、台北に焦点を当てた本には絶対に書いてないと思います。

 

注1:シラヤ族:平埔族の一つで、漢民族が台湾に移住する前に嘉南平野に住んでいた原住民族。平埔族とは、平地に住む原住民族のこと。しかし、オランダ統治時代に漢民族の台湾移住が進むと、平埔族は漢民族と同化が進んだ。シラヤ族は台湾で正式な原住民に認定されていないが、近年その文化が見直され、存在感を増している。

(参考)シラヤ発見 | シラヤ国家風景区管理処

 

注2:タオ族:タオ族(達悟族)またはヤミ族(雅美族)とも呼ばれる原住民族。現在認定されている台湾の原住民族の中では唯一の海洋民族でトビウオ漁などが有名。ちなみに、タオ族含む、原住民族の文化については、以下の記事で紹介した本で、神話などを知ることができます。

dou4hua1.hatenablog.com

 

 

また、この本は、歴史の事実だけを淡々と述べるというよりも、当時を生きた台湾人や日本人の発言や行動を通じて台湾を理解できるように書かれていて、それゆえ個人のメモや発言が本文の随所に記載されています

例えば、上述の原住民族と日本人研究者が交わした手紙や、国民党独裁時代に緑島の監獄へ送られた人物のメモ、台湾発の選挙で当選した女性議員の思いなどがつづられており、情報収集力の高さに脱帽でした。

また、それらのコメントの原典も記載されており(自分がそういうのを確認したい質なもので)、本の厚さ以上の情報が詰まっていると感じました。

 

 

以下、私が印象に残った個所を(あまり書いてもネタバレになるので)箇条書きでまとめますと、以下のとおりです。

  • 平埔族文化の衰退と再燃は、伝統の創造のひとつと捉えられる。しかも、漢民族の移住開始後、日本統治時代には急速に姿を消した平埔族の文化が、台湾人や日本人によって再発見されようとしていた。
    ※ただし、当時の日本にとっては、統治上の要請があり、研究のモチベーションに政治が絡んでいたことは否めない点、留意する必要がある。
  • 台湾含む、華人人口の多い地域には、廟を中心とした信仰文化が残っている。しかし、中国ではプロレタリア文化大革命を経て歴史ある廟が数多く破壊されたため、祭祀は多くない。
  • 戦時下の学問や文学を見る際には、戦争や政府の圧力が個々人にかけた圧力を勘案する必要がある。当時は、個人や文化、芸術よりも、国家が最優先された時代であったことを忘れてはいけない。

 

この本を誰かにおすすめするとしたら

台湾のことをちょっとは知っているけれど、もっと深く知りたいという方にお勧めしたいです。

台湾の歴史と文化を詳細に記述している本ですが、第1章が原住民族についての章なので、タピオカとかパイナップルケーキくらいしか台湾のことを知らない、という方にとっては「えっ?」となるかもしれません(それもそれで、衝撃的でいいと思いますが笑)。

例えば、台湾に旅行に行った時に、廟や二二八和平公園をみて「これってなんだろう?」とか、「日本と台湾の歴史的つながりって?」といったようなちょっとした疑問を抱いた人が読むと、「そういうことかあ~」と発見があるかもと思いました。

原住民族や鄭成功、日本政府による植民地統治、国民党による独裁時代、民主化時代など、地理・時間軸に、様々な切り口から台湾を説明し、理解を深めてくれる本だと思います。

【読書録】もはやメモ『スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 マクロ編』

※今回の記事はただのメモです※

いつかやらねばと思いだいぶ時間がたってしまったマクロ経済学…。

まずは門をくぐるところから、ということで以下の書籍を読みました。

ティモシー・テイラー著、池上彰監訳、高橋璃子訳『スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 マクロ編』、2013年、かんき出版

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読書メモ

第1章 マクロ経済とGDP

マクロ経済政策の4つの目標

  1. 経済成長
  2. 失業率の低下
  3. インフレ率の低下
  4. 持続可能な国際収支

これらの関係性を考えるためのフレームワーク総需要・総供給モデル

→国全体の需給の合計を手掛かりとして経済の動きをとらえる考え方。上述の4つの目標の間で起こるトレードオフを理解しやすくなる。

4つの目標の達成手段:財政政策と金融政策

 

GDP国内総生産

  • 1人当たりGDP:人口の違いを調整できる
  • 実質GDP:長期的な経済動向比較の際は、インフレ率を差し引いた実質GDPを分析に使うことが多い。

GDPの欠陥:売買の対象以外のものはGDPで把握ができない

例:家事、手作りの●●(新型コロナ等でマスクを買った場合はGDPに含まれるが、手作りしたらGDPには含まれない)、公害、自然災害(復興のための支出で短期的にはむしろGDPが増える。生活は苦しいのにGDPは増加するという乖離)

余談:中古品の売買もGDPには計上されない(所有権がかわるだけだから)。メルカリのようなフリマアプリが台頭すると、実際の財・カネの流れとGDPに乖離が生じる可能性がある、という指摘がされている。

(参考)

gendai.ismedia.jp

 

第2章 経済成長

  • 年間経済成長率のわずかな差が、長期的には大きな差を生む(経済の規模は複利で増えるから)
  • ただし、出遅れた国にも、キャッチアップ効果という強みがある
  • とはいえ、いまでも世界の格差はなくなっていない。ただし、それは経済のグローバル化のせいではなく、グローバル化している世界から取り残されているから
  • グローバル化が貧困を生むという主張→「運動する人のせいで運動をしない人が太る」というくらい説得力に欠ける
  • 長期的な経済成長は生産性向上によって実現される。生産性向上の原動力は
    ①物的資本の増加
    ②人的資本の向上
    ③技術の進歩
    ※ちなみに米国のケースでは、経済成長の約半分は③によってもたらされた。他方、低所得国では①②が主な原動力に(もともと①②が少ないので増えるしかないという感じ)

 

第3章 失業率

そもそも「失業」の定義とは…?

 

統計上の「失業」

日本の場合は、総務省統計局が労働力調査において以下のとおり定義

完全失業者 : 次の3つの条件を満たす者

  1. 仕事がなくて調査週間中に少しも仕事をしなかった(就業者ではない)。
  2. 仕事があればすぐ就くことができる。
  3. 調査週間中に、仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた(過去の求職活動の結果を待っている場合を含む)。

(参考)

www.stat.go.jp

 

ちなみに、就業しておらず、就業の意思がない(仕事を探していない)人は、労働力人口に分類され、失業者にカウントされない。

 

経済学上の「失業」

ちなみに、経済学上の「失業」は、賃金が需給均衡点よりも高い位置で固定され、そのための労働供給量が需要量を上回っている状態をさす。

失業は、①自然失業②景気の変動による失業に分けられる。

①の自然失業は労働者と企業の揺らぎによって生じる(なくならない)ので、失業率が0になることは現実的にはない。

 

第4章 インフレ

物価測定方法:バスケットの総額を見る

バスケット:物価を図るための考え方のひとつで、様々な商品やサービスの一般的な購入量をセットにまとめたもの(一家族が一定期間で消費する財・サービスをひとまとめにしたもの)

 

インフレを測る指標

消費者物価指数(CPI):消費者が購入する段階での物価を示す。すべての商品の指数(総合指数)から、天候などの外的要因に価格が左右されやすい食料品を除いた指数をコアCPI(生鮮品除く総合指数)という。

生産者物価指数(PPI:企業が生産活動に使う現在量や設備の価格を表す指標。鉄鋼や石油など、生産者である企業が購入する現在量や設備の価格。

卸売物価指数(WPI:Wholesale Price Index):小売店が商品を仕入れるときの価格を対象とした指数。

GDPデフレーター:実質GDPの算出に使われる物価指数。CPIよりも広範な商品(GDPに含まれるすべてのものが対象。消費、設備投資、政府支出、輸出入も含む)を対象にしている。

 

ただし、バスケットの中身が現在の生活にあっているかを検討する必要性がある(人々が買うものは刻々と変化する)。

例:固定電話、ガラパゴスケータイ、スマホ、インターネット費、通話費

 

物価安定策

賃金統制:政府が労働市場に介入し、賃金の上がりすぎ・下がりすぎを防ぐためにコントロールを行うこと

物価統制:物価の安定を確保するために、政府が物価をコントロールすること

世界恐慌の時に、米国ニクソン政権がこれらの政策に踏み切ったが、あまりうまくはいかなかった…

 

インフレから人々の暮らしを守る施策

インディックス化:インフレ率に合わせて価格を調整すること。インデクセーション、物価スライドともいう。

変動金利:ローンや預金などの金利が、返済期間中や満期前であっても、世の中の金利に合わせて変化すること。

生計費調整(COLA:Cost-of-livig adjustment):世の中の物価上昇に応じて賃金を引き上げる制度。

 

インフレ率2%くらいが多くの先進国の目標(日本も)

インフレがすぎると、長期的な生産性向上が見込めない。

 

第5章 国際収支

国際収支←経常収支、資本移転等収支、金融収支の三大項目からなる(ここがなぜかこの本ではすっ飛ばされているのだが笑)

経常収支←貿易収支、サービス収支、所得収支(海外への投資収益による収支。利子や配当金などは計上されるが、売却損益は除く)、経常移転収支(対外援助の様に、財やサービスの対価ではない一方的なお金の移動を表す)

 

経常収支はお金の流れを表す

経常収支が赤字:国が国外に借金をしている状態(お金は国内に向かって流れてくる)

経常収支が黒字:国が海外にお金を貸している状態(お金は海外の資産い投資されている)

 

金融資本の需要量と供給量は常に一致する

需要:国内の物的資本への投資需要、政府による借り入れ需要

供給:国内の貯蓄、国外からの金融資本の流入

需要供給

 国民貯蓄+国外からの資金流入民間の設備投資+政府の借り入れ

→上述の恒等式なので、左辺(需要)が増えると右辺(供給)も増える

 

経常赤字を減らすには?

国民貯蓄率を上げる(国内の資本を増やす、設備投資に使えるお金を増やす)

※ここ、確かに恒等式を見るとそうではあるのだが、正直あまり本を読んでもなんか腑に落ちない(理解しきれていない)感じがした…。

※ここで重要なのは、経常収支に含まれる「貿易収支」をいじれば経常赤字が解消されるわけではないということ。国民貯蓄率や企業・政府のニーズのバランスの上に成り立っている。保護貿易政策による経常赤字解消の効果は甚だ疑問。

 

第6章 総需要と総供給

総需要(=AD:Aggregate Demand)=GDP=C(消費)+I(投資)+G(政府支出)+E-M

最も割合が大きい:C

最も景気の影響を受ける:I

最も政府がコントロールしやすい:G

他国の経済に左右される:E&I

 

総供給が最大になるとき→GDP=潜在GDP

潜在GDP:ある国の資本や労働力が最大限に利用された場合のGDP

→つまり、景気変動による失業者がゼロになる(→完全雇用GDP

 

総供給が総需要を動かすのか、総需要が総供給を動かすのか

現在も論争は続く…セイとケインズの理論をつなぐ包括的なモデルはいまだに登場していない。

 

セイの法則「供給はそれ自身の需要を生む」:あるところに供給があれば、それと同じ程度の収入が生まれ、それにより同程度の需要が生まれる

弱点:景気後退を説明できない

→いわゆる新古典派経済学。自由な市場が資源の合理的配分をもたらすという立場

 

ケインズ「需要がそれ自身の供給を生む」←ひどい恐慌のときでも潜在的な供給力は変わらない

弱点:需要がマクロ経済を規定するのであれば、好きなだけ経済を拡大できるのでは?

 

短期的には総需要が、長期的には総供給が重要(というのが最近の主流)

長期的な視点:経済の大きさは総供給によって決定←労働者の数や教育・スキルの諮詢、物的資本の規模、生産技術レベル、市場構造などが影響

短期的な視点:需要の影響を受ける。景気先行きに対する不安感(それこそコロナ禍のいまなど)。特に投資は金融システムの影響をもろに受ける。

 

話はそれるが、新型コロナは需要・供給の両方にショックを起こしたという意味で、これまでの不況とはちょっとわけが違う、と指摘されている。リーマンショックなどは需要ショック、自然災害などは供給ショックを起こすが、新型コロナはこの両方を引き起こした、といわれている。

 

マクロ経済学上の理想:生産力の堅実な成長によって総供給が増え、それによって生み出された収入が総需要を即座に拡大する(さらに生産は常にフル稼働で潜在GDP達成なら最高)

 

第7章 インフレ率と失業率

インフレ率の低下と失業率の低下はトレードオフ。バランスが大事。

  • 総需要<潜在GDP →景気後退、失業率上昇、インフレにはならない
  • 総需要>潜在GDP →失業率低下、インフレ率上昇

バランスがいい状態:ゴルディロックス経済(Goldilocks economy)

 

インフレ率と失業率のトレードオフフィリップス曲線で表せる

(インフレ率を縦軸、失業率を横軸にとると、両者の関係は右下がりの曲線となる)

…が、両者の関係は長期的には存在しない byフリードマン

 

インフレ率上昇と失業率上昇が同時に起こったとき:スタグフレーション(1970年代の米国)

→失業率が同じでも、インフレ率は様々であることから、何度も景気後退と拡張のサイクルが繰り返されることで関係性が崩れていく。長期的にみると、失業率は常に自然失業率へと回帰し、インフレ率の上昇による効果は消えてしまう。

 

ケインズ派は短期的、新古典派は長期的な動きを重視する

  • ケインズ派:需要が供給を生む、のような短期的な動きを重視
  • 新古典派:供給が需要を生む、のような長期的(数十年単位)な動きを重視

 

第8章 財政政策と財政赤字

長期的な経済成長の実現

長期的な経済成長→設備投資・教育・技術進歩によって可能に

国民の貯蓄+国外からの投資額(=経常赤字)=民間企業の設備投資需要+国の財政赤字

国の財政赤字が大きければ、企業が設備投資に使えるお金が少なくなる(第5章)

国民貯蓄が多く、政府の借金が少なければ、長期的な観点で設備や人や技術に投資し、着実な経済成長を促すことが可能

 

失業率の低下

1.自然失業率の低下

  • 雇用のネックになるような税制を変更
  • 失業者に対する手当制度の見直し

2.景気変動による失業率の低下

  • 景気促進政策(政府支出増加、減税)

 

インフレ抑制

インフレ(総需要>潜在GDP)の場合は、総需要を減らすための財政政策

→政府支出削減、増税

 

持続可能な国際収支

国民貯蓄と財政赤字の削減

 

第9章 景気対策(短期的な財政政策)

総需要増加の政策:拡張的な財政政策(減税や政府支出増加)

総需要縮小の政策:縮小的な財政政策(増税や政府支出削減)

→景気の行き過ぎた動きを抑制

 

景気調整のための財政政策

裁量的な財政政策:景気の悪化が起こってから、政府が状況を判断して実施する財政政策。実行までに時間がかかるのが難点。意図しない副作用の懸念もある(政府支出増加で赤字幅拡大。投資に使われるはずだったお金が赤字補填に回される可能性)。

自動的な財政政策:あらかじめ税制などにルールとして組み込まれた財政政策(ビルトイン・スタビライザー)。裁量性よりもタイムリーに効果が表れる。

ビルトイン・スタビライザー(自動安定化装置):景気の変動を自動的に安定化させる仕組み。

 

景気拡大局面の例:

総需要>潜在GDP→インフレの懸念

所得税がビルトイン・スタビライザーの役割を果たす(税制を変更しなくても、人や企業の所得に応じて自動的に税率がかわる)

景気向上により、生活保護や失業手当のための支出が減ること(政府支出減少)も、ビルトイン・スタビライザーとして機能。

 

※ただし、裁量的な財政政策も、自動的な財政政策も、風邪薬的なもので、問題の根本解決にはならないということは念頭に置く必要がある(痛みは取り除けるけど、痛みの根本は取り除けないみたいなかんじ)。

※金融政策との兼ね合いも要検討。裁量的な財政政策よりも、金融政策の方が機動的。

 

第10章 財政赤字と貯蓄率

政府の借り入れ→貯蓄と投資の恒等式を成り立たせる

財政赤字が膨らんで政府の借り入れが増えれば、①貯蓄率が上がる、②民間設備投資が減る、③海外からの資本流入が増える(経常赤字拡大)のいずれかが発生する。

 

 リカードの等価定理財政赤字の増加によって国民貯蓄が増える現象

【背景】財政赤字が増える→いずれ増税→人々は増税を見越して貯蓄→貯蓄率上昇により財政赤字を補う

リカードは、これに基づき、増税をしなかったとしても、節約という形で負担がかかるため、結果的に現世代と将来世代で国債負担は変わらないと説いた

※ただし、全ての国にこれが当てはまるわけではなさそう

 

クラウディングアウト(締め出し):政府の借り入れが増えれば民間投資は減少る。逆も然り。なぜなら同じパイを取り合うことになるから。政府が大量の国債を発行すると金利が上昇し、民間で使えるお金が少なくなる。

財政赤字を低く抑えて、民間の設備投資を増やすことは長期的な経済成長を支えるうえで重要。

 

クラウディングイン(引き寄せ):財政赤字が膨らんで政府の借入額が多くなると、その分外国から多くの資金が流れ込む→経常赤字拡大

 

双子の赤字:財政収支と経常収支がどちらも赤字になること。米国では1980年代のレーガン政権下で問題となり、その後も構造的問題として残っている。

※ただし、1990年代に財政収支が黒字になっても、経常収支は投資ブームで赤字のままだった。両者に結びつきはあるものの、常に歩調を合わせるわけではない。

 

短期的財政赤字はあまり害はないが、長期的に続いているとなると問題。

債務残高:財政収支の赤字が積みあがった総額。長期的な赤字の影響力を知るために注目すると良い。国の借金の大きさを測る基準として、GDPに対する債務残高比率が良く使用される(比率なので、国や時代を問わずに借金の大きさを比較できる)

 

財政赤字を減らすための策は…?(米国の場合)

IRA(個人退職金口座)、401k(企業年金制度)→ただし、そんなに貯蓄率は上がっていない

 

第11章 お金と銀行

お金の3つの役割:交換手段、②価値保存、③価値尺度

※②はハイパーインフレになると価値保存できなくなる

お金により、物々交換が不要になる。お金が存在しない社会で誰かと何かを交換するためには、要求の二重の一致が必要となり、煩わしい。

 

お金と銀行の結びつき

融資が預金を生み、預金が融資を生みだす→世の中のお金の量が増えていく

  

第12章 中央銀行と金融政策

 中央銀行がお金の量をコントロールする3手段+α

預金準備率、公定歩合公開市場操作量的緩和政策

 

①預金準備率

預金準備率=銀行に預けられたお金のうち、他に貸し出すことが禁止されているお金の割合。すべての銀行は預金のすべてを融資に回すことはできず、一定の割合を中央銀行に預け入れないといけない。預金準備率が高いと、銀行が貸し出せるお金が減り、総需要が小さくなる。

  

公定歩合

公定歩合=銀行が、中央銀行からお金を借りる時の金利

公定歩合引き上げ→各銀行はお金を手元に残そうとする

公定歩合引き下げ→各銀行は預金準備率ぎりぎりまで融資を行うようになる(仮にお金が足りなくなっても、安くお金をかりられるから)

※ただ、一般的に各銀行は中央銀行ではなく民間銀行からお金を借りるため、実際に利用される機会はあまり多くない。そのため、金融政策の手段としての位置づけは小さい。

 

公開市場操作

公開市場操作中央銀行が債権の売買によってお金の流通量をコントロールすること。

債券はお金ではない。預金を債券のかたちで持っておくことはできるが、債券のまま貸し出すことはできない→中央銀行が債権を買うと、他の銀行は債券の代わりに現金を手に入れることができる→世の中のお金の流通量が増加

ちなみに米国でこれをどうすすめるか決めるのが、連邦公開市場委員会FOMC

金利目標を決めて債券の売買を行う。この時対象となるのがフェデラル・ファンド金利FF金利。すると、世の中のあらゆる金利がこれに合わせて上下する。

FF金利:米国の政策金利。銀行同士がお金の貸し借りを行うときの金利。日本では「政策金利」と呼ばれる。

 

量的緩和政策(2種類)

(1)中央銀行が市場にどんどんお金を貸し出す(短期的な手段としての位置づけ)

(2)長期債券の購入

※比較的新しい手法。理論的に知られてはいたが、米国で導入されたのは2008年が初。

 

中央銀行は金融政策などでお金の流通量をコントロールする

お金の流通量を増やしたいとき:拡張的(緩和的)金融政策

【目的】金利を引き下げ、融資を増やす→世の中の総需要を増やす

【手段】預金準備率引き下げ、公定歩合引き下げ、銀行から債権を買う、国債や証券を買う

 

お金の流通量を減らしたいとき:縮小的金融政策(引き締め)

【目的】金利を引き上げ、融資を減らす→世の中の総需要を減らす(あるいは増加を抑える)

【手段】預金準備率引き上げ、公定歩合引き上げ、銀行に債券を売る、国債や証券を市場に売り出す

 

第13章 金融政策の実践

金融引き締めは総需要を減らしてインフレを防ぐため

景気変動による失業を食い止められるが、自然失業率には影響を与えない)

 

デフレによる不況には金融政策がうまく効かない

金利との組み合わせで考えると、金融政策で対抗しにくい厄介な不況になっている可能性がある)

例:名目金利7%、インフレ率△2%(2%のデフレ)の場合→実質金利は7-(-2)=9%となり、名目金利より高くなる。お金を借りている人は、見かけの金利よりも高い金利を払う必要がでてくる→人々が金利の負担に耐えられなくなり、返済不能になるケースがでてくる。

もっとデフレが進むと、名目金利をゼロにしても実質金利はそこまで下がらない、という現象が起こってしまう名目金利はマイナスにならない)

 

2種類の金融政策

中央銀行の「裁量による金融政策」:中央銀行がその都度状況を見て判断

②明確なルールに基づく「システマチックな金融政策」:

 

「裁量による金融政策」中央銀行がその都度状況を見て判断

メリット:状況に応じて政策を考えられる柔軟性がある

デメリット:タイミングの遅れ、対策をしすぎる危険性、「紐を押す」問題

紐を押す:景気の引き締めは簡単だが、後押しする政策は難しいこと

※対策のやりすぎを防ぐために、多くの国でインフレターゲットが採用されている。インフレターゲットとは、一定の物価上昇率を目標として、その数値を目指して金融政策を行っていく方法(ちなみに日本は2%インフレを目指している)。

 

第14章 自由貿易

貿易によって生まれる利益:絶対優位、比較優位、長期的な利益

貿易を行うメリット:規模の経済、種類が豊富になる、高度な分業が河口になる(=バリューチェーンの分断)、知識やスキルの伝達促進、国内の競争促進(→価格低下と技術革新を促す)

 

グローバル化(貿易)が進む=経済が成長するわけではない

教育水準が低い、交通・通信などのインフラが未整備、汚職が蔓延、といった状況では貿易を推進しても経済成長は見込めない。

経済成長は国際競争力をつける多面産業構造の見直しや、経済の立て直しによってもたらされる。

  

第15章 保護貿易

輸入を制限しようとする動き=保護貿易

保護貿易の例:輸入数量制限、関税率引き上げ、輸出自主規制、非関税障壁

 

保護貿易によって保護された産業は、外国との競争にさらされなくなる。ただし、その分、国内消費者が高い価格でその商品を買わなければならない。

 

第16章 為替相場

自国通貨が弱い→外国からの投資減少、自国から外国への投資は増加、輸出に有利→貿易黒字拡大

自国通貨が強い→外国からの投資増加、自国から外国への投資は減少、輸入に有利→貿易赤字拡大

★自国通貨が強いとき、外国からの資本流入が増える(製品よりも資産の人気が高くなる)

 

長期的に為替レートは妥当な水準になる

購買力平価(PPP):ある商品を買うために必要なお金はどの国においても等しいという前提に基づき、各国の物価が等しくなるように為替レートが決められるとする考え方。このとき、物価が等しくなるようなレートを購買力平価という。

→各国の物価が等しくなるように為替レートは動くはず、という考え。

※世銀の国際比較プログラム(ICP)がPPPを算定している。

※長期的には購買力平価となるように為替レートは動くが、短期的には投資家の期待などによっても白湯されるため、為替レートが逆の動きをすることもある。

 

第17章 国際金融危機

国際的な金融危機はなぜ起こるのか

①危機が起こる前に、外国から大量の資金が流れ込む(投資先として注目されるなど)

②潤沢な資金がやってくると、銀行はどんどん融資をする

③相手を選ばず融資を行った結果、返済が滞る

 

国際金融危機を防ぐ方法

入ってくる資金の種類に気を付ける

直接投資or間接投資→直投んほうが資金の流出が起こりにくいので、資金の急激な動きによる金融危機を防ぎやすい。

 

感想

  • 国際経済学と併せて勉強していたら、理解が深まりそう(とくに、1~6章は通じる部分が多い)
  • この本自体は、図表よりも例示や説明でマクロ経済を説明していくスタンス。数字から入るより文字情報で理解をしたい人にはお勧めの本かも(経済学とかやったことない人が最初に読むにはいいかも)。
  • マクロ経済をみるときは長期的な視点なのか短期的な視点なのかをまず区別してから考えを深める必要がある、というのが大前提(これなしに議論しても話がかみ合わない)

 

 

 

 

 

嘉義のマジョリカタイル博物館

最近は台湾に行けないので、もっぱら写真を見て思い出を振り返るばかりです。

先日写真をみていたところ、嘉義のマジョリカタイル博物館に行ったときに撮影したものが出てきました。

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たくさんの台湾マジョリカタイル


今回は、マジョリカタイル博物館についてまとめたいと思います。

 

台灣花磚博物館とは

台湾マジョリカタイル博物館(台灣花磚博物館)は嘉義にある博物館です。

嘉義駅から歩いて10分程度のところにあります。

見学は無料です。

 

 

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博物館の中。壁にも階段にもマジョリカタイルが貼られています。

 

マジョリカタイルとは

マジョリカタイルというのは、装飾タイルの通称で、凹凸と多彩な色を用いた装飾が特徴です。

もともとは英国のヴィクトリア時代(1837~1901年。産業革命期)に作られたタイル(ヴィクトリアンタイル)のことだったようです。

明治時代に、日本にもヴィクトリアンタイルを模したタイルが流入したことが「和製マジョリカタイル」製作のきっかけだったそう。

日本では大正~昭和にかけて和製マジョリカタイルが製造され、1990年代前半には、当時の日本が統治していた台湾にもマジョリカタイルが持ち込まれたそうです。

台湾のマジョリカタイルには、富の象徴や幸せを願う意味を込めて、ザクロや桃などの縁起の良い果物が描かれています。

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子孫繁栄を意味するザクロが描かれた台湾マジョリカタイル

 

台湾マジョリカタイルは、現在では姿を消しつつあることから、この博物館ではタイルの展示だけでなく修繕も行っているそうです。

www.1920t.com

 

博物館でできること

たくさんのマジョリカタイルを見ることができるほか、描かれている絵の意味やマジョリカタイルの製作工程を知ることができます。

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マジョリカタイルの製作工程

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また、マジョリカタイルを使ったお土産も購入することができます。

ちなみに、このアクセサリーに描かれている絵は「百事如意」という意味です

(日本語にすると、万事意のままになりますように、みたいな意味)。

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マジョリカタイルをモチーフにしたアクセサリー

お土産のラインナップは、博物館のHPからでもご確認いただけます。

マグネットやピン、パスケースなどがありました。

www.1920t.com

 

もし嘉義に行かれることがあれば、ぜひマジョリカタイル博物館にも足を運ばれてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

【読書録】国家はなぜ衰退するのか

今回の書籍:ダロン・アセモグル、ジェイムス・A・ロビンソン著、鬼澤忍訳『国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源』2016年、早川書房

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この本を読んだきっかけ

産業発展論を学んだときに、なぜ国・地域・企業間で格差が生まれるのかはいまだに解明されていないものの、最新の考察としてこういうのがある、ということで紹介された書籍(といいつつ、受講中には読み終わらなかった)。

各国の比較優位や生産性だけでなく、それを導くための「制度」に着目している点が特徴的な印象です。
 

本の内容メモ

格差や貧困が生じる要因を考察する一冊。

「考えようにもどこから手を付ければいいかわからない壮大な問題」を論理的に説明しようとする、自分が大好きなタイプの本です。
 

以前紹介した『銃・病原菌・鉄』が、大陸や地域ごとの格差が生まれる理由を考察したのに対し、この本は、気候的には同じ環境にありながらも豊かな国とそうでない国が生まれるのは政治と経済制度の違いであると述べています。

dou4hua1.hatenablog.com

『銃・病原菌・鉄』では、家畜化や栽培化が可能な動植物の分布が経済発展のキーとなると考察されていて、例えばメソポタミア文明や「太陽の沈まない国」スペインの誕生を説明することができます。

他方、かつて繁栄していたローマ帝国オスマン帝国がなぜ没落したかは説明ができません。
 

『国家はなぜ衰退するのか』では、一旦国家が発展しても、それによって権力を得た人が、自らの権力が揺らがぬよう、収奪的経済制度を導入し、イノベーションを拒んだ場合は経済の発展が困難になると述べられています。

ここでいうイノベーションは技術革新という意味に加えて、既存のもののやり方や地位が揺らぐ、といった意味合いも込められているように思いました。

本書の言葉を借りて言い換えれば、経済発展のためには、包括的経済制度(と、秩序を課し、規則や権利を制定できる中央集権制度)が必要ということになります。

そして、その具体例として、なぜイングランドで世界で最も早く産業革命が起こることになったのか、欧州の列強に植民地化されたアフリカや中南米の国々はなぜ経済発展が遅れたのか、が説明されています。
 

さらに、本書を読んで気づかされるのは、繁栄は永遠ではなく、経済制度が変わればどこの国でも、すぐに繁栄は反転するということです。

具体例として、ローマ帝国の衰退などが説明されています。

言い換えれば、いまは世界でGDP3位の日本も、収奪的制度を導入するようになったら簡単にその地位を落としかねないのだと思いました(イノベーションを拒む、というのは、今でもなきにしもあらずな感じがするので敢えてふれませんが...苦笑)。

おもひでのポンフー②

今回は、澎湖滞在中に、観光バスで行った場所を紹介したいと思います。

とはいえ、旅行レポというより、筆者が思い出を振り返ってこれを書いているので、写真は現地の今の様子とは異なることもあるかもしれません。

あしからずご容赦ください。

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観光バス

ちなみに、澎湖の概要については以下の記事でまとめています。

dou4hua1.hatenablog.com

 

澎湖跨海大橋

白沙郷と西嶼郷をつなぐ、台湾最長の橋(長さは2,494メートル)。

この橋ができたことで、交通の便が改善されたという。

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跨海大橋

 

通梁古榕

跨海大橋の白沙郷側にある通梁保安宮前のガジュマルの木で、樹齢300年以上だそうです。

ちなみにガジュマルは澎湖の県木でもあります。

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ガジュマルの木がまるで屋根のよう

澎湖は植物が育ちにくい環境(※)といわれているようですが、その中でこれだけの枝を持つ樹に育ったことから、神木としてあがめられているそうです。

※年間降水量があまり多くないことや、諸島が玄武岩からなっており、島の周りをサンゴ礁が囲んでいることもあって、土壌がやせているらしい。そのため植物があまり育たないんだとか。台湾本島とはまた少し違う環境のようです。

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ガジュマルの根

ガジュマルの木の先には、保安宮があります。

細かい彫刻がとても美しいです。

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保安宮

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細密な彫刻

 

大菓葉柱状玄武岩

澎湖の象徴の一つである柱状玄武岩。六角形の柱の様に玄武岩がそり立っています。

日本統治時代、ふ頭の建設中に偶然見つかったのだそうです。

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大菓葉柱状玄武岩

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翁島燈塔

澎湖の西嶼の最南端にある燈台。

白い建物から美しい海を見ることができます。

ちなみに、入り口付近には軍事施設があるため、その周辺は撮影禁止です。

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翁島燈塔

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燈台から見える美しい海

ちなみに、燈台のすぐ近くにはピンク色のポストがあります。

「幸福ポスト」と書いてあるので、これと一緒に写真に写ると幸せになれるんでしょうか…

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幸福ポスト

 

西臺餌砲

さきほどの燈台近くにある、偽の砲台。

敵を欺くために作られたもののようです。

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偽の砲台

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西嶼西臺

フェイクではない、本当の砲台はこちらです。

清代の砲台の跡地だそうです。

澎湖が軍事的に重要な場所であったことを改めて思い出させられる場所でした。

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入り口付近のマップ

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トンネルもあります

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今は使われていない大砲

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海に砲口を向けた大砲が並んでいました

 

二崁傳統聚落

澎湖の伝統的な家屋をみることができます。

珊瑚が壁に使われていて、海に囲まれた澎湖らしいなと感じました。

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家屋が1階建てだからか、空が広く見えました。



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家の外でお香を天日干ししているようでした

 

 

澎湖の美しい自然と、軍事的要所であった歴史、そして伝統文化をたっぷり味わうことができたバスツアーでした。

余談ですが、ここに書いていない白沙・西嶼の名所(秘境)もあるので、それもおもい出したらまとめようかなと思っています。

 

  

最後までお読みいただきありがとうございました。

【読書録】もはやメモ『スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編』

※今回の記事は「ただのメモ」です※

今回の書籍:

ティモシー・ケイラー著、池上彰監修、高橋璃子訳『スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編』

 

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この本を読んだきっかけ

最近ふと、マクロ経済についてもう少しちゃんと勉強しようと思う機会がありました。

そこで本屋に行き、マクロ経済入門の本を買ったところ、本を開いて真っ先に飛び込んだ文字が「まずはミクロから学べ」というものでした。

というわけで、まずはミクロ経済を勉強(復習)することにし、こちらの本を読むことにしました。

ミクロ経済学はn年前に大学で勉強したんですが、大半が忘却の彼方に消えております。

 

メモ

以下、各章を読んで押さえておきたいと思ったこと or 他の人に説明するときに使いたいと思った考え方メモです。

第1章 経済学とは何か

経済学の基本的クエスチョン(3つ)

・何を生み出すか(What)

・どのように生み出すか(How)

・誰が消費するか(Who)

 

経済学の基本的考え方

・物事はトレードオフ
全員を一気に幸せにすることはできない。マスコミなどで「幸せになれなかった人」などを1ケースとして取り上げることがあるが、「エピソードを集めてもデータにならない」ので、そもそもエピソードに現れていない人に対しても想像を拡げる必要がある。

・利己的な行動が社会の秩序をつくる(=アダム・スミスの「見えざる手」)

・あらゆるコストは機会費用(=何をやれなかったか考える)

・価格を決めるのは市場

 

第2章 分業

分業によって市場経済が発達。ただし、ニーズがないものを作っても仕方がないので「価値づけ」のシステムが重要。

※なぜ?という明確な回答は本文には記載されていないが、各自が得意なものを作り、必要としている人に売る(逆も然り。誰かがつくったものを買う)ことで自由な売買が発生するから、と解釈)

 

分業のメリット

①集中(地の利や得意を活かした仕事に集中)

②習熟(集中すると、その仕事に習熟しやすい。コア・コンピタンス特化)

③規模の経済の恩恵享受

①②を混同しやすい(人に説明するのが個人的に難しいと感じている部分)ものの、①はまずはどの仕事を選ぶかの話、②は①で選んだ仕事のスキルアップみたいな感じ。

①南国の気候に適したサトウキビをつくる

②サトウキビの加工スキルをアップさせる

みたいなイメージ。

 

第3章 需要と供給

3つの市場:財市場(※)、労働市場、資本市場→これらがマクロ経済をつくる

※本書では、財市場の中でサービスも取引されるとのこと。個人的には財とサービスは別物なので「商品市場」というほうが適切なんじゃないかと思ってしまった。

各市場の需給者をまとめたのが以下。

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価値の種類

価値判断→交換価値or使用価値(両者は必ずしも一致はしない)

経済学は基本、交換価値で考察をすることが基本。

 

価格変動によって需要が変動する理由(2点)

①代替効果

②所得効果

 

需要量と需要のちがい

需要量:ある特定の価格における需要(=需要曲線上の点)

需要:様々な価格における需要(=需要曲線全体。価格と需要量の関係性について述べる)

※供給量と供給の違いも同じ理解でOK

  

需要の変化要因(需要曲線がシフトする理由)

  • 社会全体の所得水準向上
  • 人口増加
  • 流行・好みの変化
  • 代替品の価格変化

 

供給の変化要因(供給曲線がシフトする理由)

  • 技術進歩
  • 自然環境の変化
  • 投入物の価格変化(例:原油価格の高騰による、生産量減少)

 

均衡点

経済学的な意味で「最も効率的な状態」。

ただし、人々がちょうどよいと感じるかどうかは別問題。

 
第4章 価格統制

価格統制→上限価格規制(例:米国の家賃)、下限価格規制(例:農産品価格)

下限価格規制は、自然な均衡価格が低くなりやすい傾向がある商品に対し、正当(※)な価格を保証するために導入することがある。

※ただし、この「正当」の解釈には価値判断が入っていることに留意が必要。

ちなみに、上述の価格統制を用いて、政府があらゆる人を助けようとした例が、ソ連

 

価格統制は、市場に参加している人全員に影響を及ぼすので、困っている人にもそうでない人にも影響が及ぶ(万能策ではない)。

→困っている人だけをピンポイントで助けたいのであれば、価格統制ではなく、別の方法で救うことも可能(例:生活保護、中小規模の農家向け補助金

 

第5章 価格弾力性

需要量変化率/価格変化率=需要の価格弾力性

弾力性高(>1):価格上昇に弱い(代替品がある商品など)

弾力性低(<1):価格上昇に強い(代替品がない商品など)

弾力性=1:単位弾力的な状態

詳細は日経の以下の記事も参考になる。

www.nikkei.com

 

ちなみに弾力性を変化率で求める(金額や数量は使用しない)のは、様々な市場(通貨、単位が違う商品が混在)の状態を簡単に比較できるから。

また、需要も供給も、短期的には非弾力的だが、長期的には弾力的であることが多い(例:ガソリンの消費。すぐに使用料を調整できないが、あまりにも価格高騰が長く続くのであれば抜本的な対策を考えることもある)。
 

第6章 労働市場

労働需要→短期的には非弾力的(需要が減ってもすぐに解雇はできない)だが、長期的には弾力的。

労働需要の変化(需要曲線のシフト)はいつ起こるか?→生産物に対する需要変化や、生産性の変化時。価格の変化ではない。

労働供給の変化(供給曲線のシフト)はいつ起こるか?→人口増減や人口構成の変化(例:少子高齢化)、社会的風潮(例:児童労働禁止、女性活躍)

 

労働市場が抱える4つの問題

最低賃金(一種の価格下限規制)

労働組合(ただし、いい面も悪い面もあるので、どちらかに決めるというのはナンセンス)

③差別(例:差別による雇用機会の格差、市場の仕組みによる差別の助長、男女間の賃金格差)

④福利厚生(報酬の大事な一要素)

 

第7章 資本市場

利子=資本市場における「価格」

投資→金融資本/物的資本(機械の購入など)

割引現在価値:将来のある時点で受け取れるお金を、現在受け取ったらいくらになるか考える

 

企業の資金調達方法

内部留保活用

②銀行の融資と債券の発行 ※債券→額面価格、利率、期間の三要素

③株式の発行

創業初期は③、会社が大きくなると①②を活用することが多くなる。③は会社の所有権が分割されていくことであるため。

 

第8章 個人投資

老後に向けた資産形成→資本市場の供給サイド

 

資産運用を考えるときに検討すべき3つの側面

①リスク(不確実性)

流動性(資産を現金に換えやすいか)

③税金

 

資産形成を考えるうえで重要な8つの投資対象

普通預金(収益率低、利子に課税。ただし流動性は高く、安全)

②市場金利連動型投資信託MMF

③定期預金

社債

⑤株式(優良株)

⑥株式(成長株)

⑦不動産

⑧貴金属

金やプラチナなどは価格変動が大きい。

リスクが高い商品と言われる一方、新型コロナ禍では安全資産として金の価格が上昇している。

www.morningstar.co.jp

  

株価の予測不可能な動き:ランダムウォーク

 

第9章 完全競争と独占

どんな企業も4つの競争状態のどこかにあてはまる

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完全競争価格受容性が特徴、新しい企業の参入が容易

独占:地域レベルの独占などもある、法律によって独占が守られるケースもある。同業者の合併や共謀による独占を防ぐのが独禁法

自然独占:経済活動の中で自然に参入障壁が生まれた状態(例:規模の経済)

独占的競争:多くの企業が差別化された状態で競争している状態

寡占:寡占企業同士で価格競争があるのか、共謀がないかを見極めることが飛鳥(後者であれば、独占)

 

第10章 独占禁止法

競争の程度を測る指標

①市場シェア率に注目する方法

  • 4社集中度:業界上位4社のシェアを見る。シェアが大きいほど競争は少ない。
  • ハーフィンダール・ハーシュマン指数(HHI:指数が小さいほど競争が激しく、大きいほど独占に近い。

HHIの詳細は公正取引委員会のHPにも記載されている。

用語の解説:公正取引委員会

「市場」の定義によって数値の評価が分かれることが難点。

 

②価格分布に注目する方法

ある企業が存在しない場所における、その商品の価格を調べる方法
(ただし、これはECなどで地理的な制限が少なくなっている現在でも通用するのか個人的には疑問に思う)

 

第11章 規制と規制緩和

市場競争がうまくいかない分野もある(自然独占が起こりやすい)→公益事業として国の規制の対象に

※ここでいう公益事業は、往々にして大規模なネットワークが必要である

 

公益事業の価格規制

総括原価方式:生産にかかった費用にわずかな利益を上乗せして販売価格を決定する。わずかな利益は競争市場の平均的利益率に基づいて決められることが多く、各社は価格を自由に上げることができない。コスト削減や業務効率化のモチベが下がることが難点。

料金上限方式:当局が一定の価格を定め、数年間はその価格を変えない。コスト削減のモチベが生まれる。

 

第12章 負の外部性

外部性:ある人や企業の経済活動が、無関係な人に影響をおよぼすこと

 

負の外部性を規制するための手段

コマンド・アンド・コントロール:上意下達。ただし、規制する側が規制対象者の産業に便宜を図るなどの問題もある(例:二酸化炭素の排出上限量をきめ、それ以上の排出を禁止する)

経済的手法:徴課金(例:二酸化炭素排出量に応じた課税。排出量取引

 

第13章 正の外部性

正の外部性の典型例:技術革新。専有可能性がないとモチベは上がらない。

専有可能性:技術革新の成果が、社会の利益になるだけでなく、どれだけ本人の利益になるかということ。そのために重要なのが知的財産権(…これは経済史でも先生が強調してた)。

 

知的財産権(実務とはまた違う意味合いかも)

 

第14章 公共財

公共財の特徴:非競合性、非排除性。※政府提供でも公共財にならないものもある

非競合性:使う人が増えても、その財/サービスが減らないこと。

非排除性:対価を払わない人がいても便益を取り上げられないこと。フリーライダー問題が発生する(アダムスミスの「見えざる手」が機能しない分野)。

 

公共財の例

  • 公衆衛生対策
  • 道路
  • 科学研究
  • 教育

 

第15章 貧困と福祉

「魚を与えるか、釣りを教えるか」

安住しないセーフティーネットが求められる(が、難しいんだこれが)

 

負の所得税:収入増加によって政府からもらえるお金が減り、勤労意欲がわかなくなる

※正の所得税もある。たくさん稼いでも税金は徴収されるので、意欲低下がゼロというわけではない。

 

第16章 格差問題

格差≠貧困

貧困←純粋な経済的苦しさに注目

格差←公平性に注目。ただし、年齢や景気によって生じる格差もあるため、格差をゼロにするというのはナンセンス。大切なのは、その格差が妥当な水準かどうかということ。

 

所得分配は固定的か?

→格差があっても、流動的に階層を移動できるのであれば、問題ではない

 

第17章 情報の非対称性

情報の非対称性について、市場は様々な対応策(資格、免許、担保、信用調査など)をとっているが、それがうまくいかないときは政府が介入(栄養成分表示、財務諸表公開)。

 

情報の非対称で最もダメージを受けるのは?…保険市場

モラル・ハザード:危険回避の手段を講じることで、かえって注意散漫になり事故などに巻き込まれやすくなること。

逆選択:情報の非対称性のせいで、いいものが排除され、悪いものが集まってくる

www.hokende.com

 

第18章 企業と政府のガバナンス

 ガバナンス:組織や企業において、メンバー自身が主体的に全体の動きを監視・評価すること。

本題からそれますが、コンプラとは少し違います。

souken.shikigaku.jp

 

プリンシパル・エージェント理論:誰かが誰かに仕事を任せるとき、きちんと仕事をさせるにはどうしたらいいか考える理論。

典型事例がエンロン事件。

www.ifinance.ne.jp

 

この事件をふまえて、コーポレートガバナンス強化のため、SOX法が成立。

SOX法サーベイランス・オクスリ―法。内部統制の確立を図り、適切な情報開示を行わせ、私的・不正な取引・運営を駆逐しようとするもの。

 

 

…やっとマクロの復習終了。次からミクロに入りたいと思います。