先日、金門に旅行に出かけた際、台湾好行というバスを使って観光をした。 金門には台湾好行の複数のルートが運行されており、今回はそのうち「G線」と言われるツアーのレポをしていきたい。
G金門大橋烈嶼線の概要
「金門」というのは島の名前でもあり、県の名前でもある。後者の意味でとらえた場合、金門県は12の島からなる。最も大きいのが、空港や、これまでの紹介した台湾好行のA~D線が走る金門島(金門本島)である。次いで大きいのが、烈嶼。金門島と烈嶼は金門大橋でつながっており、この橋を渡って烈嶼を観光するのがG線である。
ちなみに、烈嶼は「小金門」とも呼ばれているが、バスガイドさんによると、大金門/小金門という言い方はしないそうなのだが、わかりやすさからそう呼ぶ人もいるとのこと(かたくなに「烈嶼」と呼び続けるガイドさんだったので、私もそれに従う)。
G線は週末のみしか運航されないが、午前・午後とも同じツアーをしているので、ぜひ週末に金門に乗り込んでこのツアーにも参加してみることをお勧めする。
通過する観光スポット
金門大橋
全長5.41kmの、金門島と烈嶼を結ぶ橋。デザインは金門島民が選んだものだそう。夜(18時~22時)には橋のライトアップがされるほか、厦門の夜景も見えるらしい。なお、バスガイドさんによると、この橋を渡すバスの本数は限られるので、夜景を見たい場合は、バスを降りずに、座りっぱなしで景色を眺めるのがおすすめとのことだった。実際、烈嶼をまわると、街灯が少なく、バイクであっても夜運転するのはやや怖いかなと感じた。
勇士堡・鐵漢堡
軍事要塞が地雷博物館になった場所。2つのトーチカは地下トンネルでつながっており、勇士堡から入って鐵漢堡から出るというルートを通った。
いまでこそ金門は観光ができるが、共産党軍の上陸を防ぐため、海岸を中心に地雷が多く埋められていた。
高校生の時に英語の教科書で初めて地雷について知ったとき、舞台がカンボジアだったことから、なんとなく地雷=東南アジアなイメージがついてしまい、台湾とは関係ないものと思っていた。そのため、この展示をみてやっと、台湾にもこんなに地雷が埋まっていたのかと驚くとともに、平和ボケした己の脳みその鈍さを恥じた。
湖井頭戦史館
厦門から5キロほどの距離にある、博物館。1988年に落成し、屋外には戦車など、屋内には金門に駐留していた国民党軍の訓練や生活の様子がわかる展示がある。
このスペースに望遠鏡があるのだが、のぞくと対岸の展示会館などもはっきりみえた。
雙口海濱公園
こちらも厦門がよく見える海岸。この日は干潮のタイミングで、反登陸樁(船の上陸を防止するための杭)がたくさん見えた。杭には小さい貝がびっちりはえていた。
ちなみに、この海岸には、烈嶼という文字があり撮影スポットになっていた。
沙溪堡
花崗岩や片麻岩で構成されたトーチカ。金門の離島や厦門を見ることができ、地下トンネルもある。トーチカだった分、見晴らしがよく、金門の景勝地のひとつといわれている。ちなみに、かなり細い道を通っていく必要があり、大型観光バスはここに来られないのでは…と思うような場所にあった。
后麟步槍模擬射擊館
烈嶼側の金門大橋付近にある、模擬射撃ができる場所。1回に体験できる人数は12人で、今回はバスツアー開始時に、模擬射撃をやりたいか聞かれ、みんなが手を挙げていたので(これを聞き逃していた自分も成り行きで手を揚げたら)全員で体験に申し込みができた。
まずは銃の持ち方を練習。説明は全部中文だが、見ればわかるのでインストラクターさんの動きをよく見てコツをつかむ。
体験はエアガンを使用。最初は動かない的めがけて3回×2回(大きい的、小さい的)で練習をしたのち、戦禍の金門島のビデオが流れ、共産党軍を攻撃するデモを行う。銃を撃つ姿勢は、座っても、腹ばいでもいい。ただ、結構エアガンが重いので、腹ばいにしている人が大部分だった。
ちなみに、体験後は、名前と顏写真入りの成績表をもらえる。写真は体験前に取られるので、迷彩柄の服とか着ていくと、よりそれっぽくなって面白いかも。
なお、この体験でツアーは終了。再び金門大橋を渡って金城バスターミナルに戻って解散となった。
感想
烈嶼は、金門島と比べると中国に近いこともあり、観光地はことごとく軍事拠点だった。閔南建築や華僑が立てた洋館など、金門の多面的な性格はあまり見られず、むしろ、国共内戦をより深堀できるような展示や体験ができる場所だった。
ちなみに、烈嶼の名物は、小芋頭というタロイモ。ほかの場所のタロイモに比べると小ぶりで味が濃厚らしい。金門の名物、というよりも、地理的条件が厳しい烈嶼でも育つ作物が限られており、その一つが小芋頭というのが実情のよう。烈嶼の商店では、この小芋頭を使ったアイスやチップが売られているので興味があればぜひご賞味をお勧めする。食べてみると、現在量はシンプルなのに、確かに芋の風味が濃い気がした。
おまけ
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