先日、金門に旅行に出かけた際、台湾好行というバスを使って観光をした。 金門には台湾好行の複数のルートが運行されており、今回はそのうち「C線」と言われるツアーのレポをしていきたい。
C 獅山民俗村線の概要
C線は、金門東部の山外バスターミナル発着のツアーで、毎日午前中に運行されている。主に金門の北西部をめぐるツアーで、伝統的な閔南建築の集落と、中国に非常に近い観測所や大砲のデモンストレーションなども見ることができる。
通過する観光スポット
金門山后民俗文化村
1900年ごろつくられた閩南建築の集落。かなり保存状態が良く、学校と、王さん一族の先祖を祀る建物を含め、18棟の建物が残っているほか、現役の住居や民宿になっているものも多い。
花崗岩が積まれた壁や、それとうまく組み合わさるようにはめ込まれた木材、繊細な彫刻など、見どころあふれる場所。
獅山砲陣地
洞窟型のトーチカ。八二三砲戦(国共内戦のひとつ)で活躍した8インチ大砲があり、発射デモンストレーションまでしてくれる。実演の時間は曜日ごとに決まっているため、見たい場合は開始15分くらい前に到着するとよい(台湾好行ツアーはその辺も全部うまく安排されている)。
馬山觀測所
金門島のほぼ北端にある観測所。大陸向けに、プロパガンダを放送するための基地だった。
潮の満ち引きより若干のズレは生じるものの、この観測所と、中国(大陸ではなくて最も近い島)の距離は約2キロ。泳いで渡る人とかいそう。…と思ったら、そういうことを防ぐために、この海峡は泳いではいけない等のルールが存在していたそう。
ちなみに、プロパガンダの放送は女性職員の担当で、数少ない女性ポジションだったそう。観測所は、所長、放送担当2名、そして情報官の四人体制だったそうなのだが、その寝泊まりする場所は狭くて暗くて、かなり過酷な仕事だったことが感じられた。
観測所入り口から、トンネルを通って大陸が見えるところまでいくと、スマホのキャリアも中華電信から、中国移動へ。そして、中華電信圏内に戻ると、大陸委員会(台湾の両岸関係を所管する機関)から、連続でメッセージが届いていた。物理的な距離の近さがよくわかる場所だった。
文化園区
最後に訪れたのは、文化園区にある、金門歴史民俗博物館。金門というと、どうしても軍事色が強くなりがちだが、閔南文化やここに古くから住んでいた人の生活や、農業事情などを説明する展示があり、少し違った側面から金門への理解を深めることができる。
感想
金門のバスツアーの中で、スマホのキャリアが切り替わるほど中国に近づいたのはこのツアーだった。大砲のデモンストレーションなど、軍事色が強い展示がありつつも、伝統建築など、閔南文化も垣間見ることができるルートだった。
おまけ
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