先日、蘇澳にでかけた。蘇澳は、台北で台鉄にのると、終着駅の名前として見かけることがある。終着点にはどんな町があるのか、気になっていってみた。
蘇澳とは
宜蘭県にある港町で、台鉄で行くことができる。ただ、台鉄の中には、蘇澳にいく列車とそうでない列車があるため、行く際は注意が必要だ。というのも、蘇澳にある「蘇澳駅」には自強号や、太魯閣号、プユマ号といった特急列車が止まらないため、近くの駅でのりかえる必要があるためだ(しかも、この乗り換え電車の本数が少ない)。
今回は、宜蘭県にある羅東駅からLocal Trainにのりかえて蘇澳までいった。
蘇澳の港は、台湾三大漁港のひとつ
蘇澳からバスで数分いったところに、南方澳漁港がある。この漁港は台湾三大漁港のひとつらしい。
以下の写真の様に、三面が山に囲まれているほか、この向かい側にも陸地があるため、防風機能が高いそうだ。
市場や海産物を味わえる店も多い
漁港のまわりには、市場や海産物メインのレストラン、そして媽祖様をまつる建物がある。市場では、さばかれていない鮮魚、刺し身、水産物加工品が販売されていた。
なお、漁港だからか、レストランなどは店の閉店が結構早く(朝方の街?)、旅館などは少なく、観光地という雰囲気ではなかった。市場には多くの観光客がいたが、ここに泊まるというよりは、大型バスでこの港に立ち寄っていると思われた。たしかに、宜蘭には礁渓温泉など、宿泊スポットが多いのでそこに泊まって漁港に足を延ばすというプランも組むことはできる。
ところで三大漁港とは
南方澳漁港は、台湾三大漁港のひとつである、というフレーズをよく見かけた。
あまりに見かけるので、他の2つはどこなんだと思い、ググるもなかなかコレという検索結果が出てこない。実は「自称」なんじゃないかという疑いも持ったところで、ちゃんとしたリソースで調べてみた。すると、どうやら南方澳漁港は本当に三大漁港のひとつだった。
まず、そもそも台湾には2種類の漁港がある。第一類漁港と第二類漁港とわけられており、基本は「第一類でないものはすべて第二類」という整理をしてよいらしい。
第一類漁港の条件は、漁港法施行細則の第三条に定められている。
一、第一類漁港:(一)港內泊地面積達十萬平方公尺以上,可停泊一百噸級漁船一百艘以上者。(二)陸上有魚市場、起卸碼頭,且漁船補給(加油、加水、加冰)、魚貨加工、冷凍、船機修理、保養設備齊全,交通方便,魚貨運輸銷售便利者。(三)漁港全年作業漁產量合計達二萬公噸以上者。(四)本籍五十噸以上之漁船數達一百艘以上者。第二類漁港:第一類漁港以外之漁港。
素人翻訳をすると以下のようだ(誤っていたらご指摘いただけるとありがたいです)。要すれば、規模と機能と利便性の3つを備えた漁港が第一類に認定されるよう。
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港湾の停泊面積が10万平方キロメートル以上で、100トン級の漁船が100隻以上停泊可能である。
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陸上に市場、ふ頭を備え、漁船のガソリン・水・氷等の補給、海産物の加工・冷凍、船舶の修理やメンテナンスが可能で、交通の便が良く、運輸・販売に便利な場所である。
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当該漁業の通年の生産量が合計2万トン以上。
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50トン以上の漁船数が100以上。
2023年時点で、台湾には第一類漁港は9か所ある。そして、南方澳漁港も第一類漁港である。すくなくとも、規模が一定以上の漁港であることはわかった。
ちなみに、第二類漁港の最新の数はわからなかったが、農業委員会の公告によれば、2018年時点で少なくとも200はあるようだった。
何が「大きい」のか
ただ、第一類漁港だけで9もあるので、「三大」まで絞り込む必要がある。そこで、続いて農業部漁業署が公開している統計を見てみた。
2022年(この記事執筆時点では最新)の統計によると、第一類漁港の卸売市場規模(数量ベース)で、南方澳漁港は同率2位に相当するようだった。
最も取引量がおおい「特級」に位置づけられたのは高雄で、取引量は年間65,000トン以上。これに次ぐ「一等級」が南方澳漁港と、屏東の東港だった。
取引量はおそらく取れ高(自然)に左右されるので、2位と3位を明示せず「一級」にあとめたのかなあと推察した。もしかすると、そういう事情もあって「三大漁港」と言っているのかもしれない。
ともあれ、三大漁港がどこなのかわかってすっきりした。
まとめ:台湾三大漁港は、高雄、南方澳、東港。
おまけ
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