まめはな雑記

台湾迷の日本人による、旅行記、読書録、その他メモ。台湾以外のネタも少々含みます。

【読書録】『教科書に載せたい日本史』

※この記事は2016年5月の投稿を移行したものです

 

留学してきて、現地学生からの日本文学や文法に関する質問だったり

政治や外交、歴史に関する見解を求められたりすることが増え

そのつど「うわ、自分、何も知らないんだなあ」

と己の無知を知ることとなりました。

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そのため、ちょっとでも學をつけようと思い、最近は

携帯電話に読書アプリを入れて読書をしています。

さて、今回は、そんな個人的読書週間の中で読んだ、ある一冊の本を読んだ感想を書きたいと思います。

 

河合敦『教科書に載せたい日本史』青春出版社

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(出典)www.amazon.co.jp

今 これを読め『教科書に載せたい日本史』

 

文庫本サイズなので、かなり読みやすいです。

集中して読めば、1時間強で読み終わるかもしれません。

 

 

この本は、いわゆる教科書に載っている日本史の事柄について

「実はこういう見方もある」

「実はこういう説も浮上してきた」

「実はそれはうわべです」

などなど、ばっさりと事実や新しい見解を述べていく本です。

 

もちろん、その「新しい見解」も、仮説であったり、マイナーな説であることもあるのですが

「ああ、こういうこともあるのか」

という新たな気づきを得ることができて非常に面白かったです。

 

 

その中で、もっともインパクトに残ったことをひとつ紹介します。

 

アメリカが京都に原爆を投下しなかったのは、文化遺産保護のため

…ではなく、本当は別の理由があったから

 

これ、日本人なら一度は聞いたことがある説だと思います。

私も、この説を知っていましたし、それが本当だと思っていました。

しかし、それはアメリカが後から作り上げた美談、というのがこの本の見解です。

 

では、その別の理由とは何なのか。

それは、アメリカが戦後の世界情勢を見て、日本を西側に付けたかったから

というのが本当のところ(らしい)です。

 

第二次世界大戦当時、日本とアメリカは敵国でしたが

枢軸国の配線の色が濃くなると、連合国は戦後の国際構想を始めていました。

その一方、アメリカとソ連の溝も生まれていきました。

 

そんな情勢の中で、アメリカは日本のどこに原爆を落とそうか、考えたそうです。

そして、その候補のひとつに京都がありました。

ここで京都に爆弾を落とせば日本人の戦意は確実に喪失する

ということが言われていたらしいのですが、ここで

もし京都に爆弾を落としたら、確かに日本人の戦意は喪失するだろう

しかし、日本人がアメリカに恨みを持つ可能性も高く

その結果として、日本がソ連側についてしまうことも考えられる

 

という結果にいたり、京都には爆弾を落とさないことになったそうです。

その一方で、広島と長崎には原爆が落とされてしまいました…。

 

そして、京都の文化遺産保護説は、のちにアメリカが作って

(もともとちまたで流れていたものかもしれない?を)流し

結果として今の日本人の多くが信じることとなったそうです。

 

実際、信じているから驚きですよね…。

 

 

というのが、この本を読んで一番驚いた内容でした。

他にも興味深い事柄が多く書いてあるので、気になる方はぜひ読んでみてください。