※この記事は2017年2月の投稿を移行したものです
寒すぎて、日々お布団との親和性が高まる日々です。
そんな寒い冬には、温かいところに行きたくなります。
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しかし、学生なので、なかなか今の時期旅行にひょいと行くことはできません。
なんたって、試験期間。
卒業がかかった試験。
大切です。
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その試験のひとつで、ベトナムの経済についてプレゼンをする機会がありました。
そこで、いろいろバックグラウンドも知らなきゃいかんな、ということで、図書館で本を借りたり、論文を読んだりしました。
今回は、その中でも読みやすく、かつためになった本を紹介します。
「観光」という文字があるからにはガイドブックなのかな?
と思って読んでみるとそうではありません。
ベトナムの歴史が、歴史資料や体験者の話をもとに語られています。
ベトナムは、中国と北の国境で接していることや、インドシナ半島にあるという地理的な理由から、様々な国から攻撃を受けることが多く、ベトナムの歴史は抵抗の歴史と言われているそうです。
それゆえ、国民は日本人に比べ抵抗心を強く持つ一方、寛大な精神も持っており、過去の歴史に固執して外国を恨む…ということはあまりありません(少なくとも本書と私の経験においては、です)。
(写真は、私がハノイに行った際に撮影したもの)
そして、本書の中では、そのベトナムの歴史やベトナムをとりまく歴史の流れなどが丁寧に説明されています。
その中には、飢饉やベトナム戦争でベトナム国民がどのような生活状態や悲劇に直面したのか、ということも含まれています。
読み終えた後は、ベトナム人の寛大さと強い精神力に感嘆するとともに、戦争に対する激しい嫌悪を抱きました。
特に、枯葉剤と爆弾のくだりを読むと、(この説明が丁寧なこともあって)なんともいえない気持ちになります。
枯葉剤というと、アメリカ軍と結び付けておしまいにしてしまいがちですが、日本は軍隊こそ出さなかったものの、アメリカ軍を支援しており、間接的に戦争には加担しています。
日本人が、日本人の視点からベトナムの歴史を語っているので、読みながら共感をしたり、筆者と一緒に懺悔したくなる場面も出てきます。
(写真は、私がハノイに行った際に撮影したもの)
また、個人的に印象に残った内容として
社会主義の進出を恐れて「自由」を掲げたアメリカの侵攻によって、ベトナム国民の自由は奪われた
ということと
戦争によって、中国とベトナムは関係が悪化したが、もともと両国の国境付近に住む人は、戦争中も継続して商品のやりとりをしていた。それを「密輸だ!」と思うかもしれないが、両国が戦争しているから密輸と言われるだけであり、戦争をしていなかったらこれは「貿易」なのだ。
という2つがあります。
自由ってなんだ、国境ってなんだ、国境の意義はなんだ?
などなど、疑問がわいてくると同時に
それらの疑問に対してきっぱりと自分の答えを持っているベトナム人が本書の中には何人も登場するので、読んでいてますますベトナム人すごいなと思うと同時に、そういう視点があるのか、と驚かされます。
ベトナムを知る最初の一冊というよりは、ざっくりベトナムの基礎知識や現在の活気あふれるカオスな街の雰囲気(褒めてる)を知ったあとで、より深くベトナムの歴史を知るために読む一冊という印象です。
読むと、ベトナムの歴史だけでなく
戦争ってなぜするのか?
自由ってなんだ?
と考えたくなる一冊です。
ベトナムに行く・興味がある人はぜひ読んでみてください。
今回の記事は以上です!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!