※今回の記事はただのメモです※
いつかやらねばと思いだいぶ時間がたってしまったマクロ経済学…。
まずは門をくぐるところから、ということで以下の書籍を読みました。
ティモシー・テイラー著、池上彰監訳、高橋璃子訳『スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 マクロ編』、2013年、かんき出版
読書メモ
第1章 マクロ経済とGDP
マクロ経済政策の4つの目標
- 経済成長
- 失業率の低下
- インフレ率の低下
- 持続可能な国際収支
これらの関係性を考えるためのフレームワークが総需要・総供給モデル
→国全体の需給の合計を手掛かりとして経済の動きをとらえる考え方。上述の4つの目標の間で起こるトレードオフを理解しやすくなる。
4つの目標の達成手段:財政政策と金融政策
例:家事、手作りの●●(新型コロナ等でマスクを買った場合はGDPに含まれるが、手作りしたらGDPには含まれない)、公害、自然災害(復興のための支出で短期的にはむしろGDPが増える。生活は苦しいのにGDPは増加するという乖離)
余談:中古品の売買もGDPには計上されない(所有権がかわるだけだから)。メルカリのようなフリマアプリが台頭すると、実際の財・カネの流れとGDPに乖離が生じる可能性がある、という指摘がされている。
(参考)
第2章 経済成長
- 年間経済成長率のわずかな差が、長期的には大きな差を生む(経済の規模は複利で増えるから)
- ただし、出遅れた国にも、キャッチアップ効果という強みがある
- とはいえ、いまでも世界の格差はなくなっていない。ただし、それは経済のグローバル化のせいではなく、グローバル化している世界から取り残されているから
- グローバル化が貧困を生むという主張→「運動する人のせいで運動をしない人が太る」というくらい説得力に欠ける
- 長期的な経済成長は生産性向上によって実現される。生産性向上の原動力は
①物的資本の増加
②人的資本の向上
③技術の進歩
※ちなみに米国のケースでは、経済成長の約半分は③によってもたらされた。他方、低所得国では①②が主な原動力に(もともと①②が少ないので増えるしかないという感じ)
第3章 失業率
そもそも「失業」の定義とは…?
統計上の「失業」
日本の場合は、総務省統計局が労働力調査において以下のとおり定義
完全失業者 : 次の3つの条件を満たす者
- 仕事がなくて調査週間中に少しも仕事をしなかった(就業者ではない)。
- 仕事があればすぐ就くことができる。
- 調査週間中に、仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた(過去の求職活動の結果を待っている場合を含む)。
(参考)
ちなみに、就業しておらず、就業の意思がない(仕事を探していない)人は、非労働力人口に分類され、失業者にカウントされない。
経済学上の「失業」
ちなみに、経済学上の「失業」は、賃金が需給均衡点よりも高い位置で固定され、そのための労働供給量が需要量を上回っている状態をさす。
失業は、①自然失業と②景気の変動による失業に分けられる。
①の自然失業は労働者と企業の揺らぎによって生じる(なくならない)ので、失業率が0になることは現実的にはない。
第4章 インフレ
物価測定方法:バスケットの総額を見る
バスケット:物価を図るための考え方のひとつで、様々な商品やサービスの一般的な購入量をセットにまとめたもの(一家族が一定期間で消費する財・サービスをひとまとめにしたもの)
インフレを測る指標
消費者物価指数(CPI):消費者が購入する段階での物価を示す。すべての商品の指数(総合指数)から、天候などの外的要因に価格が左右されやすい食料品を除いた指数をコアCPI(生鮮品除く総合指数)という。
生産者物価指数(PPI):企業が生産活動に使う現在量や設備の価格を表す指標。鉄鋼や石油など、生産者である企業が購入する現在量や設備の価格。
卸売物価指数(WPI:Wholesale Price Index):小売店が商品を仕入れるときの価格を対象とした指数。
GDPデフレーター:実質GDPの算出に使われる物価指数。CPIよりも広範な商品(GDPに含まれるすべてのものが対象。消費、設備投資、政府支出、輸出入も含む)を対象にしている。
ただし、バスケットの中身が現在の生活にあっているかを検討する必要性がある(人々が買うものは刻々と変化する)。
例:固定電話、ガラパゴスケータイ、スマホ、インターネット費、通話費
物価安定策
賃金統制:政府が労働市場に介入し、賃金の上がりすぎ・下がりすぎを防ぐためにコントロールを行うこと
物価統制:物価の安定を確保するために、政府が物価をコントロールすること
※世界恐慌の時に、米国ニクソン政権がこれらの政策に踏み切ったが、あまりうまくはいかなかった…
インフレから人々の暮らしを守る施策
インディックス化:インフレ率に合わせて価格を調整すること。インデクセーション、物価スライドともいう。
変動金利:ローンや預金などの金利が、返済期間中や満期前であっても、世の中の金利に合わせて変化すること。
生計費調整(COLA:Cost-of-livig adjustment):世の中の物価上昇に応じて賃金を引き上げる制度。
インフレ率2%くらいが多くの先進国の目標(日本も)
インフレがすぎると、長期的な生産性向上が見込めない。
第5章 国際収支
国際収支←経常収支、資本移転等収支、金融収支の三大項目からなる(ここがなぜかこの本ではすっ飛ばされているのだが笑)
経常収支←貿易収支、サービス収支、所得収支(海外への投資収益による収支。利子や配当金などは計上されるが、売却損益は除く)、経常移転収支(対外援助の様に、財やサービスの対価ではない一方的なお金の移動を表す)
経常収支はお金の流れを表す
経常収支が赤字:国が国外に借金をしている状態(お金は国内に向かって流れてくる)
経常収支が黒字:国が海外にお金を貸している状態(お金は海外の資産い投資されている)
金融資本の需要量と供給量は常に一致する
需要:国内の物的資本への投資需要、政府による借り入れ需要
供給:国内の貯蓄、国外からの金融資本の流入
→需要+供給
国民貯蓄+国外からの資金流入=民間の設備投資+政府の借り入れ
→上述の恒等式なので、左辺(需要)が増えると右辺(供給)も増える
経常赤字を減らすには?
国民貯蓄率を上げる(国内の資本を増やす、設備投資に使えるお金を増やす)
※ここ、確かに恒等式を見るとそうではあるのだが、正直あまり本を読んでもなんか腑に落ちない(理解しきれていない)感じがした…。
※ここで重要なのは、経常収支に含まれる「貿易収支」をいじれば経常赤字が解消されるわけではないということ。国民貯蓄率や企業・政府のニーズのバランスの上に成り立っている。保護貿易政策による経常赤字解消の効果は甚だ疑問。
第6章 総需要と総供給
総需要(=AD:Aggregate Demand)=GDP=C(消費)+I(投資)+G(政府支出)+E-M
最も割合が大きい:C
最も景気の影響を受ける:I
最も政府がコントロールしやすい:G
他国の経済に左右される:E&I
潜在GDP:ある国の資本や労働力が最大限に利用された場合のGDP
→つまり、景気変動による失業者がゼロになる(→完全雇用GDP)
総供給が総需要を動かすのか、総需要が総供給を動かすのか
現在も論争は続く…セイとケインズの理論をつなぐ包括的なモデルはいまだに登場していない。
セイの法則「供給はそれ自身の需要を生む」:あるところに供給があれば、それと同じ程度の収入が生まれ、それにより同程度の需要が生まれる
弱点:景気後退を説明できない
→いわゆる新古典派経済学。自由な市場が資源の合理的配分をもたらすという立場
ケインズ「需要がそれ自身の供給を生む」←ひどい恐慌のときでも潜在的な供給力は変わらない
弱点:需要がマクロ経済を規定するのであれば、好きなだけ経済を拡大できるのでは?
短期的には総需要が、長期的には総供給が重要(というのが最近の主流)
長期的な視点:経済の大きさは総供給によって決定←労働者の数や教育・スキルの諮詢、物的資本の規模、生産技術レベル、市場構造などが影響
短期的な視点:需要の影響を受ける。景気先行きに対する不安感(それこそコロナ禍のいまなど)。特に投資は金融システムの影響をもろに受ける。
話はそれるが、新型コロナは需要・供給の両方にショックを起こしたという意味で、これまでの不況とはちょっとわけが違う、と指摘されている。リーマンショックなどは需要ショック、自然災害などは供給ショックを起こすが、新型コロナはこの両方を引き起こした、といわれている。
マクロ経済学上の理想:生産力の堅実な成長によって総供給が増え、それによって生み出された収入が総需要を即座に拡大する(さらに生産は常にフル稼働で潜在GDP達成なら最高)
第7章 インフレ率と失業率
インフレ率の低下と失業率の低下はトレードオフ。バランスが大事。
バランスがいい状態:ゴルディロックス経済(Goldilocks economy)
(インフレ率を縦軸、失業率を横軸にとると、両者の関係は右下がりの曲線となる)
…が、両者の関係は長期的には存在しない byフリードマン
インフレ率上昇と失業率上昇が同時に起こったとき:スタグフレーション(1970年代の米国)
→失業率が同じでも、インフレ率は様々であることから、何度も景気後退と拡張のサイクルが繰り返されることで関係性が崩れていく。長期的にみると、失業率は常に自然失業率へと回帰し、インフレ率の上昇による効果は消えてしまう。
第8章 財政政策と財政赤字
長期的な経済成長の実現
長期的な経済成長→設備投資・教育・技術進歩によって可能に
国民の貯蓄+国外からの投資額(=経常赤字)=民間企業の設備投資需要+国の財政赤字
国の財政赤字が大きければ、企業が設備投資に使えるお金が少なくなる(第5章)
国民貯蓄が多く、政府の借金が少なければ、長期的な観点で設備や人や技術に投資し、着実な経済成長を促すことが可能
失業率の低下
1.自然失業率の低下
- 雇用のネックになるような税制を変更
- 失業者に対する手当制度の見直し
2.景気変動による失業率の低下
- 景気促進政策(政府支出増加、減税)
インフレ抑制
インフレ(総需要>潜在GDP)の場合は、総需要を減らすための財政政策
→政府支出削減、増税
持続可能な国際収支
国民貯蓄と財政赤字の削減
第9章 景気対策(短期的な財政政策)
総需要増加の政策:拡張的な財政政策(減税や政府支出増加)
総需要縮小の政策:縮小的な財政政策(増税や政府支出削減)
→景気の行き過ぎた動きを抑制
景気調整のための財政政策
裁量的な財政政策:景気の悪化が起こってから、政府が状況を判断して実施する財政政策。実行までに時間がかかるのが難点。意図しない副作用の懸念もある(政府支出増加で赤字幅拡大。投資に使われるはずだったお金が赤字補填に回される可能性)。
自動的な財政政策:あらかじめ税制などにルールとして組み込まれた財政政策(ビルトイン・スタビライザー)。裁量性よりもタイムリーに効果が表れる。
ビルトイン・スタビライザー(自動安定化装置):景気の変動を自動的に安定化させる仕組み。
景気拡大局面の例:
総需要>潜在GDP→インフレの懸念
所得税がビルトイン・スタビライザーの役割を果たす(税制を変更しなくても、人や企業の所得に応じて自動的に税率がかわる)
景気向上により、生活保護や失業手当のための支出が減ること(政府支出減少)も、ビルトイン・スタビライザーとして機能。
※ただし、裁量的な財政政策も、自動的な財政政策も、風邪薬的なもので、問題の根本解決にはならないということは念頭に置く必要がある(痛みは取り除けるけど、痛みの根本は取り除けないみたいなかんじ)。
※金融政策との兼ね合いも要検討。裁量的な財政政策よりも、金融政策の方が機動的。
第10章 財政赤字と貯蓄率
政府の借り入れ→貯蓄と投資の恒等式を成り立たせる
→財政赤字が膨らんで政府の借り入れが増えれば、①貯蓄率が上がる、②民間設備投資が減る、③海外からの資本流入が増える(経常赤字拡大)のいずれかが発生する。
リカードの等価定理:財政赤字の増加によって国民貯蓄が増える現象
【背景】財政赤字が増える→いずれ増税→人々は増税を見越して貯蓄→貯蓄率上昇により財政赤字を補う
※リカードは、これに基づき、増税をしなかったとしても、節約という形で負担がかかるため、結果的に現世代と将来世代で国債負担は変わらないと説いた
※ただし、全ての国にこれが当てはまるわけではなさそう
クラウディングアウト(締め出し):政府の借り入れが増えれば民間投資は減少る。逆も然り。なぜなら同じパイを取り合うことになるから。政府が大量の国債を発行すると金利が上昇し、民間で使えるお金が少なくなる。
財政赤字を低く抑えて、民間の設備投資を増やすことは長期的な経済成長を支えるうえで重要。
クラウディングイン(引き寄せ):財政赤字が膨らんで政府の借入額が多くなると、その分外国から多くの資金が流れ込む→経常赤字拡大
双子の赤字:財政収支と経常収支がどちらも赤字になること。米国では1980年代のレーガン政権下で問題となり、その後も構造的問題として残っている。
※ただし、1990年代に財政収支が黒字になっても、経常収支は投資ブームで赤字のままだった。両者に結びつきはあるものの、常に歩調を合わせるわけではない。
短期的財政赤字はあまり害はないが、長期的に続いているとなると問題。
債務残高:財政収支の赤字が積みあがった総額。長期的な赤字の影響力を知るために注目すると良い。国の借金の大きさを測る基準として、GDPに対する債務残高比率が良く使用される(比率なので、国や時代を問わずに借金の大きさを比較できる)。
財政赤字を減らすための策は…?(米国の場合)
IRA(個人退職金口座)、401k(企業年金制度)→ただし、そんなに貯蓄率は上がっていない
第11章 お金と銀行
お金の3つの役割:①交換手段、②価値保存、③価値尺度
※②はハイパーインフレになると価値保存できなくなる
お金により、物々交換が不要になる。お金が存在しない社会で誰かと何かを交換するためには、要求の二重の一致が必要となり、煩わしい。
お金と銀行の結びつき
融資が預金を生み、預金が融資を生みだす→世の中のお金の量が増えていく
第12章 中央銀行と金融政策
①預金準備率
預金準備率=銀行に預けられたお金のうち、他に貸し出すことが禁止されているお金の割合。すべての銀行は預金のすべてを融資に回すことはできず、一定の割合を中央銀行に預け入れないといけない。預金準備率が高いと、銀行が貸し出せるお金が減り、総需要が小さくなる。
②公定歩合
公定歩合引き上げ→各銀行はお金を手元に残そうとする
公定歩合引き下げ→各銀行は預金準備率ぎりぎりまで融資を行うようになる(仮にお金が足りなくなっても、安くお金をかりられるから)
※ただ、一般的に各銀行は中央銀行ではなく民間銀行からお金を借りるため、実際に利用される機会はあまり多くない。そのため、金融政策の手段としての位置づけは小さい。
公開市場操作=中央銀行が債権の売買によってお金の流通量をコントロールすること。
債券はお金ではない。預金を債券のかたちで持っておくことはできるが、債券のまま貸し出すことはできない→中央銀行が債権を買うと、他の銀行は債券の代わりに現金を手に入れることができる→世の中のお金の流通量が増加
ちなみに米国でこれをどうすすめるか決めるのが、連邦公開市場委員会(FOMC)
金利目標を決めて債券の売買を行う。この時対象となるのがフェデラル・ファンド金利(FF金利)。すると、世の中のあらゆる金利がこれに合わせて上下する。
FF金利:米国の政策金利。銀行同士がお金の貸し借りを行うときの金利。日本では「政策金利」と呼ばれる。
④量的緩和政策(2種類)
(1)中央銀行が市場にどんどんお金を貸し出す(短期的な手段としての位置づけ)
(2)長期債券の購入
※比較的新しい手法。理論的に知られてはいたが、米国で導入されたのは2008年が初。
お金の流通量を増やしたいとき:拡張的(緩和的)金融政策
【目的】金利を引き下げ、融資を増やす→世の中の総需要を増やす
【手段】預金準備率引き下げ、公定歩合引き下げ、銀行から債権を買う、国債や証券を買う
お金の流通量を減らしたいとき:縮小的金融政策(引き締め)
【目的】金利を引き上げ、融資を減らす→世の中の総需要を減らす(あるいは増加を抑える)
【手段】預金準備率引き上げ、公定歩合引き上げ、銀行に債券を売る、国債や証券を市場に売り出す
第13章 金融政策の実践
金融引き締めは総需要を減らしてインフレを防ぐため
(景気変動による失業を食い止められるが、自然失業率には影響を与えない)
デフレによる不況には金融政策がうまく効かない
(金利との組み合わせで考えると、金融政策で対抗しにくい厄介な不況になっている可能性がある)
例:名目金利7%、インフレ率△2%(2%のデフレ)の場合→実質金利は7-(-2)=9%となり、名目金利より高くなる。お金を借りている人は、見かけの金利よりも高い金利を払う必要がでてくる→人々が金利の負担に耐えられなくなり、返済不能になるケースがでてくる。
もっとデフレが進むと、名目金利をゼロにしても実質金利はそこまで下がらない、という現象が起こってしまう(名目金利はマイナスにならない)
2種類の金融政策
①中央銀行の「裁量による金融政策」:中央銀行がその都度状況を見て判断
②明確なルールに基づく「システマチックな金融政策」:
「裁量による金融政策」:中央銀行がその都度状況を見て判断
メリット:状況に応じて政策を考えられる柔軟性がある
デメリット:タイミングの遅れ、対策をしすぎる危険性、「紐を押す」問題
※紐を押す:景気の引き締めは簡単だが、後押しする政策は難しいこと
※対策のやりすぎを防ぐために、多くの国でインフレターゲットが採用されている。インフレターゲットとは、一定の物価上昇率を目標として、その数値を目指して金融政策を行っていく方法(ちなみに日本は2%インフレを目指している)。
第14章 自由貿易
貿易によって生まれる利益:絶対優位、比較優位、長期的な利益
貿易を行うメリット:規模の経済、種類が豊富になる、高度な分業が河口になる(=バリューチェーンの分断)、知識やスキルの伝達促進、国内の競争促進(→価格低下と技術革新を促す)
グローバル化(貿易)が進む=経済が成長するわけではない
教育水準が低い、交通・通信などのインフラが未整備、汚職が蔓延、といった状況では貿易を推進しても経済成長は見込めない。
経済成長は国際競争力をつける多面産業構造の見直しや、経済の立て直しによってもたらされる。
第15章 保護貿易
輸入を制限しようとする動き=保護貿易
保護貿易の例:輸入数量制限、関税率引き上げ、輸出自主規制、非関税障壁
保護貿易によって保護された産業は、外国との競争にさらされなくなる。ただし、その分、国内消費者が高い価格でその商品を買わなければならない。
第16章 為替相場
自国通貨が弱い→外国からの投資減少、自国から外国への投資は増加、輸出に有利→貿易黒字拡大
自国通貨が強い→外国からの投資増加、自国から外国への投資は減少、輸入に有利→貿易赤字拡大
★自国通貨が強いとき、外国からの資本流入が増える(製品よりも資産の人気が高くなる)
長期的に為替レートは妥当な水準になる
購買力平価(PPP):ある商品を買うために必要なお金はどの国においても等しいという前提に基づき、各国の物価が等しくなるように為替レートが決められるとする考え方。このとき、物価が等しくなるようなレートを購買力平価という。
→各国の物価が等しくなるように為替レートは動くはず、という考え。
※世銀の国際比較プログラム(ICP)がPPPを算定している。
※長期的には購買力平価となるように為替レートは動くが、短期的には投資家の期待などによっても白湯されるため、為替レートが逆の動きをすることもある。
第17章 国際金融危機
国際的な金融危機はなぜ起こるのか
①危機が起こる前に、外国から大量の資金が流れ込む(投資先として注目されるなど)
②潤沢な資金がやってくると、銀行はどんどん融資をする
③相手を選ばず融資を行った結果、返済が滞る
国際金融危機を防ぐ方法
入ってくる資金の種類に気を付ける
直接投資or間接投資→直投んほうが資金の流出が起こりにくいので、資金の急激な動きによる金融危機を防ぎやすい。
感想
- 国際経済学と併せて勉強していたら、理解が深まりそう(とくに、1~6章は通じる部分が多い)
- この本自体は、図表よりも例示や説明でマクロ経済を説明していくスタンス。数字から入るより文字情報で理解をしたい人にはお勧めの本かも(経済学とかやったことない人が最初に読むにはいいかも)。
- マクロ経済をみるときは長期的な視点なのか短期的な視点なのかをまず区別してから考えを深める必要がある、というのが大前提(これなしに議論しても話がかみ合わない)