先日、台湾三大烏龍茶は何か、ということを聞かれて「はて?なんだったけ」ということがありました。
お茶は飲むのは大好きですが、(今更ながら)知識についてはガバガバだったので、台湾のお茶について調べようと思い立ちました。
茶道をたしなんだこともなければ、日本のお茶についてすらあまりよくわかっていない門外漢ですが、これまで飲んだお茶のことを振り返りつつ、まとめてみたいと思います。
0.そもそも烏龍茶とは
先日聞かれたもののわからなかった台湾三大烏龍茶について「烏龍茶」という縛りがあるので、烏龍茶ってそもそもなんだっけ、というところから調べてみました。
お茶の種類は、茶葉の発酵度合いによって、主に6種類に分類される(茶の六大分類ともいう)ようで
不発酵 → 緑茶
弱発酵 → 白茶/黄茶
半発酵 → 烏龍茶(青茶)
完全発酵→ 紅茶
後発酵 → 黒茶(例:プーアル茶。微生物による発酵)
となるそうです。
ちなみに、通常の「発酵」というのは、茶葉に含まれるタンニン(カテキン)が酸化しすることを指すのですが、後発酵については微生物を加えて発酵させる(=茶葉自身の発酵+微生物による発酵となる)という点が異なります。
(参考)
緑茶、ウーロン茶、紅茶の違いはなんですか? サントリーお客様センター
なぜなぜまめ事典 ~お茶まめ知識~|お客様相談室|アサヒ飲料
1.台湾三大烏龍茶とは
烏龍茶の定義を確認したところで、台湾三大烏龍茶について調べていきたいと思います。
3種類とも半発酵の茶葉で作られることには変わりないのですが、そもそも半発酵の幅が広い(発酵度およそ10~80%まで全部「半発酵」とも言えてしまうらしい)ので、度合いの軽いものから順に書き留めていきます。
①文山包種茶(ㄨㄣˊㄕㄢㄅㄠˉㄓㄨㄥˇㄔㄚˊ)
軽発酵(8~18%程度)の烏龍茶で、烏龍茶の中でも緑茶に近い。
お茶の色は黄緑色で香りが強く、渋みは少ない。
主な産地は新北市坪林区、石碇区、深坑区、平溪区、汐止区、新店区、三峽区、台北市では南港区や木柵区。
四角形に紙で包装したことから、「包種茶」の名がついたそう。
(参考)行政院農業委員会茶葉改良場 文山包種茶(茶業改良場)
②凍頂烏龍茶(ㄉㄨㄥˋㄉㄧㄥˇㄨˉㄌㄨㄥˊㄔㄚˊ)
発酵度は20~30%で、お茶の色は黄金色。爽やかさと甘みがある。
凍頂山がある南投県鹿谷郷が主な産地。
この地域は温暖かつ雨量が豊富な気候で、年間平均気温25°Cとお茶を育てるのに最適な場所とのこと。
製茶の過程で茶葉を揉む作業がある。
先日カルディで見つけたこれですね…。
カルディで懐かしいもの発見!茶葉の風味が強く感じられる台湾のお茶、美味いです。ちなみに無糖です。 pic.twitter.com/5rawUhrGep
— まめはな (@dou4hua1) 2020年6月14日
③東方美人茶(ㄉㄨㄥˉㄈㄤˉㄇㄟˇㄖㄣˊㄔㄚˊ)/白毫烏龍茶(ㄅㄞˊㄏㄠˊㄨˉㄌㄨㄥˊㄔㄚˊ)
発酵度合いは調べたところ諸説・諸定義がみられたものの、60~85%と3つの中では最も発酵度合いが高い。
英国で東方美人茶が販売された際、ヴィクトリア女王がいたく気に入り、Oriental beauty と名付けた、という伝えられている。
ウンカと呼ばれる小さな虫が茶葉の養分を吸うことで独特な味わいが生まれる(ちなみにこれは、偶然から生まれた産物らしい)。
(参考)中国茶の分類 | 天仁茗茶
以前お土産で買ったこれですね…。
お茶が好きな方向けに、カンカンのお茶も買いました(カンカンの高級感)
— まめはな (@dou4hua1) 2018年12月17日
東方美人茶はお土産で持っていくととても喜ばれます…🍵 pic.twitter.com/x602bDhx0v
2.台湾四大銘茶というものもある
台湾三大烏龍茶について調べていたところ、ふと
そういえばよく台湾で見かけた「鉄観音」はこれに含まれていない?
と思いました。
そこでもう少し調べたところ、上述の台湾三大烏龍茶に木柵鉄観音を足して台湾四大銘茶ということがわかりました。
木柵鉄観音(ㄇㄨˋㄓㄚˋㄊㄧㄝˇㄍㄨㄢˉㄧㄣˉ)
他湾では台北市木柵区と石門一帯で栽培されている。発酵度合いは中程度。
鉄観音を製茶する過程で特徴的なのは、茶葉が完全に乾燥する前に布で包んで揉み、その後ゆっくり乾燥させること。この過程を経て果物のような甘い香りのお茶が仕上がる。
(参考)行政院農業委員会 木柵鐵觀音-茶葉主題館-農業知識入口網
3.そのほかの有名なお茶
くくりが大きくてお茶に申し訳ないですが、上述の4種類以外にも台湾には有名なお茶がたくさんあります。
ということで、主に筆者がこれまで飲んだものベースになりますが、ざっくり特徴などまとめてみたいと思います。
①高山茶
その名のとおり高い山でできたお茶。特定の産地を指すわけではなく、阿里山や玉山など産地は様々。
「高い」という定義には諸説あるものの、一説では海抜1000メートル以上の場所にある茶園を指す。
高山茶の特徴は①高山気(お茶を飲んだときに感じる、花に縫えるような爽やかな甘み)、②回甘(お茶を飲んだ後に喉の奥から湧き上がる甘さ)。
山地が違えど①②の特徴を備えていることが高山茶の特徴。
②紅茶
日月潭を中心に作られる台茶18號(紅玉)やアッサムティーは有名。
アッサムティーは、日本人が日月潭に「魚池紅茶試驗支所」を設置し、インドのアッサムティーを持ち込んだことをきっかけに紅茶産業が発展しうまれました。
(参考)日月潭紅茶茶葉
台茶18號:別名「紅玉」。日月潭のある魚池鄉を中心に台湾で栽培されているお茶。1999年に台茶18號(紅玉)という名前が付けられたそうです。ミャンマーのアッサム茶と台湾の野生のお茶を掛け合わせて作られた品種とのこと。飲んでみると、そこまで渋みがなく爽やかな感じがして美味しいです! pic.twitter.com/R8k4EIPaer
— まめはな (@dou4hua1) 2019年5月8日
余談ですが、日月潭の自販機はこれでもかというくらいお茶を推してました
(個人的にはこの自販機を家の近くにも置いてほしい。あったら毎日買うと思う)。
日月潭にある自販機。統一感のあるデザインで有名なお茶を販売している。よく見ると日本語がチラリ。砂糖が入っているのか表示してくれるのはとっっっても有難いです☕️ pic.twitter.com/HOTZn9hywI
— まめはな (@dou4hua1) 2019年6月12日
その他にも、ジャスミンティーや、ドリンクスタンドで売っている面白いお茶(お茶をブレンドしたやつとか)いろいろあるのですが、考えると無限にあるな…というくらい多いので今回はこの辺で一区切りつけたいと思います。
はやく、また台湾に行っておいしいお茶を飲める日が来るといいなあ。
ということで最後までお読みいただきありがとうございました。