まめはな雑記

台湾迷の日本人による、旅行記、読書録、その他メモ。台湾以外のネタも少々含みます。

【読書録】サピエンス全史

今回は、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』を読んだ感想をまとめたいと思います。

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この本と出会ったきっかけ

大学生の時、生協に「●●先生おすすめ」として、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』が売られているのを見かけたことが、この本を買ったきっかけです。

「●●先生」の授業は楽しかったので、そんな方がおすすめする本であればさぞ面白いのだろうと思い、購入しました。

 
本の概要と感想

農業革命(=それまでの狩猟採集をする暮らしから、定住にシフト)によって人口とゆとり(余剰)が生まれ、食料生産以外の役割を担う職人等が生まれ、社会が発展する…というのは経済史や産業発展論で学ぶストーリーですが、この本では一歩踏み込んで、なぜホモ・サピエンスは社会を維持し、拡大し、交易まですることができたのか、という点について説明をしています。

 

農業革命については、経済史を学べば必ずと言っていいほど出てくる(それも序盤に出てくる)トピックです。

余談ですが、経済史で「農業革命」というと、①ここで言及しているような、狩猟採集経済→農耕牧畜経済へのシフトのことと、②英国の産業革命と同時に起こった資本主義的農業生産の開始、の2つを指すため、どちらのことを指すのか明確にすることが必要です(時代も内容もまったく違ってしまいます)。

 

この本を読むと、私たちは意外と、目に見えて触れることができる物体よりも、概念や創造の中の価値をよりどころに生きてきたことに気付かされます(宗教、神話、お金など)。

また、概念や価値を伝えるためには数字や言葉が必要となりますが、言葉を操れるというのはホモ・サピエンスの特徴であり、言葉こそが、ホモ・サピエンス食物連鎖の頂点に押し上げたのでは…と思えてきます。

 

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