まめはな雑記

台湾迷の日本人による、旅行記、読書録、その他メモ。台湾以外のネタも少々含みます。

カンボジア滞在感想

※この記事は2016年1月の投稿を移行したものです

 

1週間のカンボジア滞在を終え、帰国しました。

今回はボランティアやサマースクールではなく、シェムリアップを中心に遺跡を見てきました。

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時には信号も電線も車線もなく、寝ていられないほどのがたがた道を4時間車で突っ走って遺跡を見に行ったこともありました。

そして、こんな建造物、ウン百年前の機械もコンピュータもない時代に造ったなんてすごいなあ…

というありきたりな感想を、遺跡を見るたびにつぶやいていました。

 

 

さて、今回は長々と遺跡巡りの感想を…ではなく、今回の滞在を通して感じたことを書きます。

 

約1週間カンボジアに滞在していたのですが、カンボジアは「思っていた以上に発展していた」というのが、私が抱いた正直な感想です。

「『思っていた以上』ってそもそも何を思っていたのか?」というツッコミが入ると思います。

カンボジアに関しては、留学先の授業で習った先史~植民地時代までの歴史に関する知識しかないもので、正直「現在の」カンボジアの知識はほぼ皆無でした。仏教徒が多いってことくらいしか知りませんでした。

そして、知識がない代わりに「いまだ地雷が埋まっていてちょっと危険そうな国」というイメージをもって渡航しました。

 

確かに、いまだ地雷が埋まっている場所はありますし、現地でも「地雷注意」の道路標識を見ることがあります。観光客の多い遺跡では地雷被害者が音楽の演奏会をしていることもたびたびありました。

ですが、すべての場所が地雷が埋まっている場所ではありませんし、こちらが羽目を外さず行動していれば、十分安全に観光をすることができる国だと感じました。

 

こんなことを考えたとき、ふと

「じゃあなぜ自分はそもそもカンボジアにそんなに《危険な国》イメージを抱いていたんだろう?」

という疑問を抱きました。

これまで東南アジア4か国・これから2か国の渡航を考えている私ですが、これらの国に対しては《治安が日本・台湾ほどよくはない》というイメージは持っていたものの、《危険》という印象までは持っていませんでした。

ですが、カンボジアに対しては真っ先に《危険》というイメージが浮かんできたんです。なんでなんだろう…

 

ここでさらに

「自分がカンボジアという国を最初に知ったきっかけは何だっただろう」

と考えました。思い出してみると、たしか中学校のときの英語の授業だったと思います。

カンボジアでは、内戦の結果まだ多くの地雷が埋められており、その作業が少しずつ進められている、という内容の英文が書かれており、それに足のない少年少女の写真と、防具を着た人間がある作業をしている写真が添えられていました。そして、この章を勉強した時、カンボジアは、危険な国なんだ…」と思いました。

 

たしかに、世界中どこでも日本みたいに安全(…かどうかは疑問ですが)というわけではない、と知ることは大切だと思います。でも、こういった内容って、ついつい「恐怖」が強く印象に残って「なぜそんなことが起こったのか」といった「経緯」はついつい忘れられがちです。そして【なんとなく】中学生の時から「カンボジアは、危険な国なんだ…」というイメージを抱き続けてしまうんじゃないかなあと思っています。事実、大学3年になって留学先で東南アジア考古学を履修するまで、私も「内戦」という具体的な経緯のことは忘れていました(普段そんな話、友人としないですしね)。

 

そんな今回、アンコール遺跡群・プレアビヒアをはじめとした、様々な遺跡を観に行って、現地のレストランに行ったり、トイレを使わせてもらったりして、カンボジアの人々のやさしさとカンボジアのすばらしさに驚きました。現地の観光ガイドさんや世界遺産管理人さんは遺跡について熱く語ってくださり、観光地は観光客(欧米人もふくむ)向けにきちんとお店もお手洗いも整備されているし、何より遺跡が本当に綺麗で感動します。

もちろん、独裁政権時代の影響でまだまだ国の開発が遅れている部分もたくさん感じられました。それでも、やっぱりこれだけすごい遺跡や文化を有しているカンボジアはいい国だと思います。《危険そう》という思い込みだけで行くのを諦めてしまうのは非常にもったいないと感じます。

 

「第一印象は、いいものはすぐに悪くできるが、悪いものをよくするのは非常に難しい」

みたいなことを、コミュニケーションだのマナー講座だので聞きますが、それは人だけじゃなくてカンボジアにも言えることだと思います。

地雷、爆発、といったキーワードと結びついて、《危険な国》という第一印象がついてしまっていると、やっぱりそれを変えるのは非常に難しいと思います。「実際どんなもんなの?」と現地に足を運ぶにも、時間と金がかかりますし、そもそも危険と思っている国にわざわざ時間と金を投資していこうとする人もいないと思います。

英語の教科書はカンボジアのことを伝えるために造られているわけではありませんが、それでもやっぱり、もっとカンボジアのいい部分も伝えてくれるような文章が作られて、カンボジアに対してマイナスではなくプラスの印象を持ってくれる人が増えると嬉しいなあと思います。

例えば、地雷というマイナス印象を植え付ける内容だけでなく、合わせてアンコール遺跡とか、ジャヤバルマン7世の話といったプラス印象のトピックも乗っけるとか。エジプトのラメセス2世の話が載せられているなら、ジャヤバルマン7世の話を乗っけても問題ないかと思うので。

 

 

次の旅に行く前に、前の旅のことは綴っておきたかったのですが、もやっとした感想をここまでの文章にするのになかなか時間がかかりました(笑)。

最後まで読んでくださってありがとうございます。