まめはな雑記

台湾迷の日本人による、旅行記、読書録、その他メモ。台湾以外のネタも少々含みます。

これから【あたりまえ】になるかもしれないこと

※この記事は2015年7月9日に投稿した記事を移行したものです。

 

試験が近いけど、勉強には飽きた筆者です。
しかし、試験が近いので、試験に関連したことを書きます。

今回は
これから【あたりまえ】になるかもしれないこと
ということで、本日授業受けたてほやほやの話題について書きます。

現在日本は2020年のオリンピック開催にむけていろいろ動いているらしいですが
その中でひとつ、ムスリムの方々に配慮したサービス提供を考えている
というのはご存知でしょうか?
昨今トレンドワードのグローバル化が進むにつれて
日本にも様々な人が訪れるようになったので
異国でも宗教を理由に不便な生活をすることがないよう
制度やサービスが整えられてきています。

ということで、前置きが長くなりましたが
本日の私の授業の復習も兼ねて、イスラームについて書いていきます。


まず、我々はよく「イスラーム教」という言葉を聞きますが
研究者の間では「教」をつけるかつけないか、という表記問題があるそうです。
※ただし、あくまで日本語表記の場合のみ

というのも、そもそも「宗教」という言葉・概念は西欧由来であり
西欧における「宗教」とは「政教分離すべきもの」だからです。
キリスト教ユダヤ教といった宗教は政教分離の原則に沿っていますが
イスラームはそうではない。
政治・教育に深くかかわっており、切っても切り離せない関係です。
そのため、「宗教」をいう言葉の枠にははめきることができない
と唱える研究者も多いらしく、イスラーム教ではなくイスラームと呼ぶことも多いそうです。

ちなみに、イスラームとは、神の意志・命令への帰依という意味で
男性信者(帰依した者)をムスリム、女性をムスリマと呼びます。
日本では、昔回教と呼ばれていましたが、現在はあまりこの呼び名は使われていません。

イスラームの信者は、アッラーという唯一心を信仰しています
(これは一般常識かもしれませんね)。
イスラームでは画像表現・偶像崇拝は厳禁とされているため
書籍やコインにもアラビア語のみでの表記、または顔を隠した表記となっています。

そして、その神が天使を介して予言者ムハンマドに伝えた神の言葉を集めたものが
聖典クルアーンです。
実はクルアーンアラビア語で書かれたもの以外は、聖典としては認められていません。
なぜかというと、アラビア語以外の言語に翻訳されたものは、翻訳の過程で
後世の人間の解釈が加えられてしまうからです。
そのため、翻訳されたものは注釈書という扱いをされています。

ちなみに、クルアーンムハンマドを通した神の言葉、ですが、これとはまた別に
ムハンマドの言行を後世の人がまとめたハディースというものもあります。
これは結構知らない人も多いんじゃないでしょうか。
事実、私も知りませんでした。

また、イスラームでは礼拝を行うことが定められています。
この礼拝を行う場所のことをマスジーといいます。
マスジードには、仏教寺院や教会と異なり、神像はありません。
しかし、何もないわけではなく、メッカの方向を示すくぼみ(ミフラーブ)
があるそうです。

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(出典)筆者撮影

 

男性信者は、金曜日の午後はマスジードで礼拝をすることが望ましいとされており
そのためにイスラーム圏では金曜日の午後は
学校もお店も閉まっているということがよくあります。


さて、ここまではイスラームそのものについて書いてきましたが
ここからは日常生活の中でどういったことが定められているのか
ということについて書いていきます。

イスラームの結婚・相続・食事・服装などの
日常生活の規範は、シャリーアというイスラーム法で定められています。

この中で、行ってよいことはハラールいけないことはハマムといわれています。
代表的なハマムとしては

  • ハラールでない食品を食べること
  • 飲酒
  • 利息

といったものがあります。
具体的に、食べてはいけないものは、豚肉、血
適切な過程を経ていない肉(死んでいる動物の肉、絞殺・撃ち殺された動物の肉)
アッラー以外の神にささげられたもの
等が定められており、信者の中には上記のようなハマムなものを避けるために
確実に安全なハラールな肉しか食べない人も多いです
(みんなが食べているから大丈夫、とか店主がOKといった、というのはNG)。

話が前後しますが、特にこの食品に関して
日本はまだまだ対応が不十分な点が多いといわれています。


また、お酒もNG
以前シンガポールに行ったとき、インドネシア人のムスリマと一緒にいたのですが
飲酒をしていないかどうか、確認されました。
そのパーティーがもともとムスリムムスリマに配慮されていたので
一滴もお酒は飲んでいませんでしたが、こちらも禁止されています。
マレーシアなどでは、外国人に対しても酒類のホテル持ち込みを禁止していることがあります。
郷に入ったら郷に従え、ですね。


そして利息もNG
商売はOKですが、利息を取ることは禁じられており
そのためイスラーム圏の銀行は日本やその他諸外国のものとシステムが若干違うそうです。
ただし、現在はどうなっているのか、詳細は把握していないので
ここではあまり言及せず、利息が禁じられてる、ということだけ書いておきます。


最後に、ハラール・ハマムから話は変わって服装について。
イスラームでは女性は神または顔を隠すように言われています。
↓標識もちゃんとそれにのっとっているんですよ

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(出典)筆者撮影

 

昨今、これを女性差別ということも多いらしいのですが
ある研究者によれば、信者たちはこれは神によって与えられたルールなので
苦とはとらえていない、そうです。
特に、男性は美しいものに弱く、その前では理性を保つことができない
という人間観が背景にあり、それを回避するために行っているという説もあります。
いずれにしても、人間観も育ってきた場所が違えば異なってくるわけです

様々な考え方があるということを理解することのほうが
私たちの価値観に基づく主張をするよりも先に考えるべきことであり
重要だということかもしれません。


普段あまりこういったことを意識していない私たちからすると
これは不思議なことに感じられるかもしれませんが
こういった部分を理解・配慮できる環境が整っていくといいなと思っています。

さて、本日の授業で習ったことは以上です、ということで
また気が向いたら更新します。
ですが試験勉強もちゃんとやります。